『インデペンデンス・デイ：リサージェンス』

あらすじ

20年前、エイリアンとの戦いに辛うじて勝利し、独立を高らかに宣言した人類は、再び迎えるであろうその時に備え、多大な犠牲と技術革新の上に、強固な地球防衛システムを築き上げてきた。しかし、ついに再び地球に襲来したエイリアンは、人類の想像を遥かに超える進化を遂げていた。元合衆国大統領ホイットモア（ビル・プルマン）の愛娘パトリシア（マイカ・モンロー）の恋人で、20年前の戦いで両親を失った戦闘機パイロットのジェイク（リアム・ヘムズワース）は、人類の存亡を懸けた過酷な戦いに身を投じていくのだが…。

色んな意味で「やらかしたな」っていう映画でした。ネタバレあり。

わたし、20年前の『インデペンデンス・デイ』をイギリスの田舎の小さな映画館で観たんです。もちろん英語なんて全部は理解できないし、地球規模の危機なのにアメリカだけ頑張ってるなー、くらいの感想しかなく、全然思い入れも何もなかったのに、何を血迷ったか今作は前夜祭、しかもIMAX3Dで観てしまった。大失敗。金返せ（笑）。

一応前作を観直しておいたんだけど、それはそれなりに面白かったのね。今度は字幕付きだから内容もわかったし。で、ウィル・スミスとその恋人との成り行きだとか、ジェフ・ゴールドブラムとのやり取りだとかが鮮明に記憶に残ってた。でもウィルの続投は無く、前作から出ているのはジェフと大統領役のビル・プルマンと、ちょっとおかしなあの博士くらいなもん。しかもね、ウィル・スミスが演じたヒラー大尉は死んだことになってんの！国民的英雄だったのに！ウィルのギャラとかスケジュールとかいろいろ折り合いつかなかったんでしょうけど（これを蹴って『スーサイド・スクワット』に出たっていうウワサ）、だからって殺すことないじゃないの！

映画の内容に戻ると、20年前にエイリアンに勝利した人間たちは、その技術を自分たちの生活に取り入れてものすごい文明を発達させてる（空飛ぶ車とかそんな感じ）。もちろん月にも人が住んでて、そこの基地でパイロットのジェイクは働いてる。そこに謎の宇宙船が飛来して、中国人司令官の命令でそれを爆破（この辺が中国資本丸出しで嫌悪感）。しかしその宇宙船は実は敵ではなかったんじゃないか、と地球にいるデヴィッド（ジェフ・ゴールドブラム）が言い出して、ジェイクが地球へデヴィッドを迎えに行く。月と地球の移動なんてあっという間にできちゃう時代らしいです。

そして地球には本当の敵であるエイリアンがやってきて、めちゃめちゃに破壊しまくってる。

この攻撃に巻き込まれていろんな人たちが死んでいくんだけど、その中に例のヒラー大尉の恋人だった女性（結婚して妻になってる）もいるのね。この人前作ではダンサーだったはずなのに、いきなり看護師として病院で働いてるの。え、勉強したの？資格取ったの？前作で大統領夫人を助けた時に医療の道に目覚めちゃったの？もしかして別人？誰か説明してくれ。

なんかもう話を書くのが面倒になってきたけど（笑）、いよいよエイリアンと決戦となった時にホイットモア前大統領が一人で敵に乗り込んでいって討ち死にします。が、これが本当に犬死に以外のなにものでもなくてですね。戦闘機ごと突っ込んで命を落とした後、ホイットモアに一切触れることなしに話が進んでいく。せめて誰か哀悼の意を示してよ！なんなのこれ。ひどすぎる。

えーっと。あとはエイリアンの親玉がたった1台のスクールバスに異様な執着を見せたりですとか、最初に月に来たエイリアンはやっぱりいいエイリアンで、なんか『GANTZ』に出てきそうなでっかいボールだったとか、今思い返してもどこをどうまとめていいのかさっぱりわからないような話でした。規模を大きくし過ぎて肝心なところを端折りすぎって感じ。あとシャルロット・ゲンズブールが出てきた瞬間（だいぶ序盤）に「あ、この映画終わったな」と思いました。彼女だけめちゃくちゃ浮いてる。他の人選なかったのか。

IMAXだったからスクリーンは大きくて迫力あったけど、なにしろ画面が暗かったので3Dメガネで余計に暗くてよくわかんなかったし。鑑賞料金高かったし（笑）。2Dでもあんまりオススメしない映画だけど。それでも前作を知っている人は、どこかで観たことあるシーンがそっくり使われていたりだとか、ちょいちょい挟まれる小ネタにクスッとすることはできるかな。

ということで、/5
まあエメリッヒ監督だもんなあ。こんなもんかなあ。