今夜、ロマンス劇場で

スポンサーリンク


今夜、ロマンス劇場で

あらすじ

映画会社で助監督として働く真面目な青年・牧野健司(坂口健太郎)。映画監督を夢見る彼は、馴染みの映画館“ロマンス劇場”に通い詰め、そこで見つけた古いモノクロ映画を夜ごと鑑賞しては、劇中のお姫様・美雪(綾瀬はるか)への恋心を募らせていく。そんなある日、美雪がいきなりスクリーンから飛び出してきた。突然の奇跡に混乱しつつも、成り行きから憧れの美雪と奇妙な同居生活を送ることとなった健司。お姫様である美雪のワガママに振り回されながらも、色のない世界しか知らなかった彼女にカラフルな現実世界を案内していく。そしていつしか互いに距離を縮めていく健司と美雪だったが…。

今夜、ロマンス劇場で

めちゃくちゃ泣ける映画だった記憶。ネタバレあり。

ある病院の病室で、入院中の老人(加藤剛)がさぼりグセのある看護婦をつかまえて、自分が映画製作にかかわっていた時代の不思議な話を語り出す。倒産寸前の映画館で起きた、素敵な奇跡の話を。

1960年。中堅映画製作会社で働く牧野は、助監督として働きながらいつか自分の映画を撮ることを夢見ていたが、雑用ばかり押し付けられる日々を過ごしている。そんな彼の唯一の息抜きが「ロマンス劇場」という映画館で発掘したモノクロ映画を、館長に少しのお金を払って見せてもらうことだった。その映画のヒロインである美雪に対し恋心のようなものを抱きつつあったある日、映画館に雷が落ち停電してしまう。停電から復旧した時、牧野の目の前にはスクリーンの中のままの姿の美雪が立っていた。

今夜、ロマンス劇場で

要はスクリーンから飛び出てきちゃった勝気なおてんば姫と、映画が大好きな青年の恋の話です。

牧野はとりあえず美雪を家に連れて帰るものの、モノクロ映画から出てきたので色がない。そのまま歩いていてはあまりにもホラーなので、自分が働く撮影所に連れて行きメイクを施す。

今夜、ロマンス劇場で
他人にばれないかヒヤヒヤしつつも、二人は同居生活を始める。ただ美雪は他人に触れられると元の映画の世界に戻らなければならないことになっており、いくら牧野が好意を持っていたとしても触れることさえ許されない。

今夜、ロマンス劇場で
これって、まさに『シザーハンズ』なんですよ。ハサミの手を持つエドワードは、キムに恋心を抱くものの抱きしめようものなら切り刻んでしまう。好きなのに触れられない、目の前に好きな人がいるのに抱きしめられない、なんという悲劇。

後にロマンス劇場を受け継いだ牧野は、ずっと美雪と二人で夫婦のように暮らしていったんだよ、っていうのが、冒頭の老人が看護師に語った話。そこへ孫娘がお見舞いにやってきます。しかしこの孫、老人が倒れても手を貸そうともせず、病院内では変な噂になっていました。

実はこの孫こそが美雪であり、老人が牧野なんです。最初こそ夫婦に見えたものの、一切歳を取らない美雪と並ぶと次第に親子に見え、ついには孫に見えるまで年が離れてしまった。つまり、そんなに時が経っても二人は一切触れあわなかったってことなんです。いやー、何かのはずみでちょっと手が触れちゃうこととかあったでしょーって思ったんだけどね…。

ついに老人牧野の最期の瞬間が訪れ、美雪はそっと彼に触れて、二人はこの世からいなくなりました。ハッピーエンド、なのかしら。

ラスト、ダンスパーティが開催されているモノクロの画面がだんだんと色づき、人波をかき分けて牧野と美雪が寄り添うシーン、これもまさに『タイタニック』のラストシーンとおんなじ。そして号泣。この映画、もしかしていろんな作品へのオマージュが散りばめられていたのかも?

そして加藤剛さんの遺作でもあります。それもあってなんかグッときてしまった。

ということで、
でもどんな映画へのオマージュがあったのか確かめるためにもう一度観る気にはならない。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


FXを学ぶ