『未来を花束にして』
あらすじ
1912年、ロンドン。夫と幼子との3人で生活しているモード・ワッツ(キャリー・マリガン)は、サフラジェット(女性参政権運動の活動家)の友人の代わりに公聴会に参加し、これまでの生き方に初めて疑問を持つ。その後WSPU(女性社会政治同盟)のリーダー、エメリン・パンクハースト(メリル・ストリープ)の演説を聞き、デモにも参加するなど運動にのめり込んでいく。しかし、活動を快く思わない夫に家を追い出され息子と引き離された上に、職場でクビだと言われてしまう。
100年前のイギリスで、女性参政権を得るために闘った実在の人たちのお話です。
ほんの100年前のイギリスにおける(たぶん世界どこでも)女性の地位は本当に低くて、専業主婦になるか働けたとしても安い賃金の洗濯の仕事くらいしかなかった。モードも同じで、同じ職場で働く夫のサニー(ベン・ウィショー)も優しいんだかなんなんだかよくわからない。
そんな折、同僚の女性からサフラジェットの会合に誘われる。サフラジェットは女性への参政権を求める運動をしている活動団体(この映画の原題も”Suffragette”)で、そこでモードは初めて女性たちの地位について考え始める。
徐々に活動にのめり込むうち、夫から「家の恥だ」と言われ追い出されて、子供は養子に出されてしまう。その後も活動によって何度も逮捕されたりとモードの人生は一転。そしてある日事件が起こる。
実際に女性参政権運動に参加していた実在の人たちも出てきます。例えばメリル・ストリープが演じるWSPUのリーダー、エメリン・パンクハースト。
第一次世界大戦以前の女性の選挙への参加に尽力したことで有名な人だそうです。ちなみにメリル・ストリープはアメリカ人ですが、この役を演じるために完璧なイギリス英語をマスターしたと何かの記事で読んだ記憶が。
それからエミリー・デイヴィソンという女性はサフラジェットとして9回も逮捕され、そのたびにハンガーストライキを行って抵抗した人。もっとも顕著な抵抗活動としては、競馬場でレース中の王様の馬の目の前に飛び出して死んじゃったっていう・・・。自分の命に代えてでも女性に参政権を、って、そこまでしないとダメなのか。
あとはWSPUのメンバーを演じていたヘレナ・ボナム=カーターの曾祖父は当時のイギリス首相で、婦人参政権運動を弾圧していたっていうんだからこれもすごい巡り合わせ。
肝心の映画自体は非常に淡々としていまして、久しぶりにガチで寝ました。そして先述の競馬場の激突シーンで目が覚めました(反省)。
ということで、
先人の命がけの戦いがあってこその今なのです。今じゃ女性が首相ですからね。彼女たちの想いも報われたのではないでしょうか。