スリー・ビルボード

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『スリー・ビルボード』

あらすじ

アメリカ、ミズーリ州の田舎町エビング。ある日、道路脇に立つ3枚の立て看板に、地元警察への辛辣な抗議メッセージが出現する。それは、娘を殺されたミルドレッド・ヘイズ(フランシス・マクドーマンド)が、7ヵ月たっても一向に進展しない捜査に業を煮やして掲げたものだった。名指しされた署長のウィロビー(ウディ・ハレルソン)は困惑しながらも冷静に理解を得ようとする一方、部下のディクソン巡査(サム・ロックウェル)はミルドレッドへの怒りを露わにする。さらに署長を敬愛する町の人々も広告に憤慨し、掲載を取り止めるようミルドレッドに忠告するのだったが…。

スリー・ビルボード

コメディでありサスペンスであり、なんとも不思議な映画。

娘を惨殺されたミルドレッドが、一向に犯人を逮捕できない警察への抗議で建てた3枚のビルボード。そこには「殺されながらレイプされた」「なのに逮捕はまだ?」「なんでなの、ウィロビー署長?」と書かれている。名指しされたウィロビー署長は町民からの人望も厚い人物で、決してこの事件をないがしろにしてきたわけではなかった。でもミルドレッドの怒りをぶつける先は署長以外にはない。

スリー・ビルボード
そんな署長を慕っている警察官のジェイソンは、侮辱的な看板を立てたミルドレッドに怒り心頭。大して偉くもないのに暴力的であんまり評判はよろしくない。

スリー・ビルボード
ミルドレッドは娘が殺された当日、些細なことから口論となり「レイプされてしまえ」と口走ってしまう。それが現実になってしまった自責の念に囚われ、アメリカ中の男のDNAを集めてでも犯人を見つけ出そうとしていた。しかし息子からも冷ややかな目で見られ、別れた夫からは「娘は自分と暮らしたいと言っていた」と聞かされる。

ある日歯医者で歯科医に襲われそうになったミルドレッドは、歯科医を返り討ちにしてけがをさせてしまう。その歯科医の友人でもあるウィロビー署長がミルドレッドに話を聞いていると、彼は突然吐血してしまう。実は末期の膵臓がんで余命いくばくもない体だったのだ。その後ウィロビー署長は、ミルドレッドから怠慢だとレッテルを張られたまま死んでいくのは家族に迷惑がかかってしまうからと、家族と共に過ごした後拳銃で自らの命を絶ってしまう。

敬愛する上司の死で怒り狂ったジェイソンは警察署の向かいのビルで暴れまくり、そこに入っている広告代理店に勤める男性を2階の窓から突き落としてしまう。そしてその一部始終を見ていた新しい署長から即刻解雇を言い渡される。その夜スリー・ビルボードが何者かに燃やされてしまい、こちらも怒り狂ったミルドレッドは警察署に火炎瓶を投げ込む。しかし中には警察バッジを返しに来たジェイソンがいて、彼はイヤホンで音楽を聴きながらウィロビー署長が残した手紙を読んでいた…。

スリー・ビルボード
娘を殺した犯人を捜すサスペンスというより、登場人物たちの心境の変化みたいなものがメインのストーリーです。途中笑ってしまうような場面もあるのでコメディ要素もあり。

ジェイソンはゴリゴリの人種差別主義者で、ミズーリ州といういまだに根強い人種差別が残る地域に住む人の典型的なタイプなのかもしれない。でも敬愛する署長が死に、自分が火事に遭い、搬送された病院で自分が突き落とした人と偶然にも同室になって赦しを得て、だんだんと考え方が変わっていく。ミルドレッドも然りで、スリー・ビルボードを燃やしたのは元夫だったり、警察署に火をつけたことをかばってくれる友人だったりの影響でちょっとだけ丸くなったり(なってないかも)。

スリー・ビルボード
終盤、ジェイソンの尽力で犯人ではないだろうかという人にたどり着くも法の裁きを受けないことが判明。そしてびっくりなラストへと向かっていきます。でもクリフハンガー的な終わり方で、結局「これ」っていう結末がないまま終わってしまうんだよねこの映画。え、それからどうなるの?って含みを持たせたままエンドロール。わたしはミルドレッドとジェイソンが落とし前付けてくれるんだろうなってことに期待しています。

2018年のアカデミー賞で主演女優賞と助演男優賞を獲りましたが、本当は作品賞を獲ってほしかったんだなー。フタを開けてみたらあの気持ち悪い半魚人映画がかっさらっていったけど。これにはまだ納得いってない。

ということで、
最近ウディ・ハレルソンをよく見る気がします。

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