『お嬢さん』
あらすじ
日本の統治下にあった1930年代の韓国。詐欺師たちの集団の手で育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、伯爵の呼び名を持つ詐欺師(ハ・ジョンウ)から美しい富豪令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドという仕事をあてがわれる。スラム街から彼女とそのおじが暮らす豪邸に移ったスッキだが、伯爵は彼女の助けを得て秀子との財産目当ての結婚をしようと企んでいた。結婚した後に秀子を精神病院に送り込んで財産を奪う計画を進める伯爵だが……。
久しぶりにものすごい韓国映画を観ました。強烈R指定。
予告編を観た時からすごい映画だなーと思ってました。運よく試写会が当たったので観に行きましたが、自腹じゃ行かない(笑)。
出演者は全員韓国人なんだけど、日本から韓国に来ているという設定の伯爵令嬢を始めみんな日本語を話すのね。母国語ではない言葉で演技をするって相当努力しないと難しいと思う。多少おかしなところはあったけど、みんな健闘してました。
話は大きく3部に分かれていて、それぞれの部で主な視点となる人が変わります。令嬢の視点、スッキの視点、詐欺師の視点みたいな感じ。最後まで見ると「あれはそういうことだったのね!」と全てに納得がいく。騙し騙されのどんでん返しムービーです。
詐欺師は純情無垢な令嬢と結婚して財産をごっそりいただこうという計画を立て、スッキをお手伝いとして邸宅に送り込む。うまく結婚まで持ち込んだら、令嬢は精神を病んでるとかなんとか理由をつけて病院に入れてしまおうという算段。
スッキの役目は令嬢の気持ちを詐欺師の方へ向かわせること。あの手この手で詐欺師のことを好きになるように仕向ける。
そしてめでたく詐欺師は令嬢と結婚し、だんだんと精神を病むようにじわりじわりと攻め、最終的に精神科病院へと送り込む。しかし入院させられたのは令嬢ではなくスッキだった。
この時点で観客はポカーンです。え、なんでスッキ?仲間じゃなかったの???
はい、もうすでに全員だまされています。
この後視点が変わっていくことで、なぜスッキが病院送りになったのかという理由もわかってくる。その時はもう気分爽快です。「男ってバカ!」って(笑)。女の結束を甘く見ちゃいけないよ!
令嬢の叔父にあたる人が邸宅で本読み会みたいなのを催しているのですが、これがまたすごい内容で。日本語で放送禁止用語をバンバン言うんですよ。あれ大丈夫なのかな?韓国映画だから許されてるのかもしれないけど、日本だったらまず制作中止レベルだと思う。
とにかく「すごかった」という言葉しか出てこない映画です。100%デートにはオススメしないけど、観てみる価値はあるかも。
ということで、
パク・チャヌク監督が舞台挨拶に来ました。映画の内容とはうらはらに、とっても穏やかな方でした(笑)。