127時間

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『127時間』

あらすじ

アメリカ・ユタ州のブルージョン・キャニオン。ロッククライミングをしていた登山家のアーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)は落石事故に見舞われ、右腕を断崖に挟まれたまま身動きが取れなくなってしまう。助けを呼ぶ術もなく5日間が過ぎ、命も尽き果てようというとき、アーロンは自身にある決断を下す。

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以下、ネタバレあり。

これは実際にあったお話。当事者アーロン・ラルストン本人が生還して本を出している以上、決して死なないっていうのはわかっている前提で進めます。アーロンは、自らの腕を切り落とすのです。

わたし、この作品は去年の9月頃からずっとチェックしておりました。たまたまネットで予告のトレイラーにたどり着き、その映像の綺麗さに一気に惹き込まれました。そして「あの岩に挟まって腕切り落とす映画観たいんだよねー」なんて、軽く言っていた。そんな興味本位で観る映画では、到底ないです。覚悟して映画館へ。

アーロンの悲劇は、いくつかの不幸な出来事が連鎖して起こっている。まず、行き先を誰にも告げなかったこと。出発を急いでいたので、ちゃんとした道具を持ってこなかったこと。命を繋ぐ「水」を、車の中に置いてきてしまったこと(結果、彼の決断を早めたのかもしれないが)。そしてなにより、アーロンは自らの腕を破壊する岩を、渓谷に下りる前に動かしてしまったのだ。

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それさえしなかったら、岩は落ちてこなかったかもしれない。だけど動かさなかったら、その渓谷に下りることはなかったかもしれない。動かすことによって、自分も動く。その結果、さらに動いた岩によって、腕を引きちぎることになる。余計なことしなければいいのに。でもそれじゃ、冒険にならないんだよね。

アーロンは岩に挟まれる前に、道に迷ったミーガンとクリスティという2人の女性と出会う。他に誰もいない、広大な自然に3人だけ。彼らは岩の隙間から神秘的な湖へ身を落とす遊びを繰り返す。

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その時彼女たちは、アーロンのビデオカメラにこっそりメッセージを残している。これ重要。あとでそれが、アーロンの生への原動力となるのだ。

岩に挟まれてからは、ジェームズ・フランコの1人芝居状態。持ちうる限りの知恵と道具で、なんとか岩をどかし腕を引き抜こうとする。だけど岩を削ることで、どんどん岩の重心が下がり、さらに腕を圧迫することになってしまう。

さぁ、それからは自意識との戦い。狂ってはいけない。自分を見失ってはいけない。冷静さを保たなければいけない。誰も来ない岩場で、右腕は岩に挟まれ、水も食料も底を尽き、いよいよとなった時、人はどうするか。アーロンは挟まった直後から、ビデオカメラで自分撮りをして、万が一の時のために両親へのメッセージを残していた。まるでアーロンがワイドショーのインタビューを受けているかのようなふざけた方法だったり、時に真面目だったり。

そこで、彼はミーガンとクリスティがカメラに残したメッセージを発見する。湖に飛び込む3人。下着姿の彼女たち。それを観たアーロンが取った行動。目を疑った。あなた、その状況でそれですか!?

・・・つまり、「人が生きる」ということは、次世代へ命を繋ぐということ。自分の命が今にも消えそうになっている時にそういうことを考えるってことは、「まだ生きたい」って思ってる証拠。今まで省みなかった自分の家族や友人や恋人の顔が次々と浮かんでくる。みんな、迷惑かけてごめん。これからもっともっと生きて、みんなに感謝を伝えなくちゃ・・・・・。

そう思った時、アーロンは自分の将来の姿の幻を見る。幸せそうな自分と妻と子供の姿。そして彼は決意する。

「――――――――――――腕を切ろう」と。

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ここからは、観る側に忍耐が必要です。もっとオブラートに包んであるのかと思ったら、直球で自分の腕を切り落として行きます。まず切りやすいように(!)骨を折り、肉にナイフを入れ、神経を切っていく。とてもじゃないけど、わたしは耐えられずに視線を外しました。だけど、それじゃダメなんです。だって、音すらもリアルだから。だからわたしは、小さな試写室で観てよかったな、と。音響抜群の劇場だったら、間違いなく退席するレベル。

あああああ、いつ終わるのこの描写。早く開放してあげて、わたしを(笑)。

長い戦いの末、ようやく自由の身となったアーロン。泥水を飲んで喉を潤し、出会った人に助けを求め、ヘリコプターで運ばれていく。ようやく安堵。それにしても、置いてきた腕は回収したのかしら。

ラスト近くでは、アーロン・ラルストンご本人も登場します。幻で見たような、幸せな家族に囲まれて。この人、やっぱりまだ冒険を続けてるんだって。もちろん、必ず行き先は告げてから出発しているそうです。

というわけで、☆4.5。
目を背けたシーン、しっかりと観直してみたいけど、勇気がない。

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コメント

  1. シド・キャロル より:

    1 ■無題
    私もこの映画興味があったんだけど、痛いシーンはことごとくダメな人だから、ちょっとムリかも~(怖)
    http://ameblo.jp/mj-in-my-heart/

  2. はな より:

    2 ■◎シド・キャロルさん
    あぁ、たぶん無理だと思うな・・・。
    そしてこれよりも痛いと評判の「一命」。
    海老蔵主演、しかも3D(笑)。
    http://ameblo.jp/flower51/

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