『四十九日のレシピ』
あらすじ
熱田良平(石橋蓮司)が急に妻の乙美を亡くして2週間が過ぎたころ、派手な身なりのイモ(二階堂ふみ)が熱田家を訪問する。突然現われ、亡き妻から四十九日を無事に迎えるためのレシピを預かっていると言う彼女の存在に良平は目を白黒させる。そこへ夫(原田泰造)の不倫で、離婚届を突き付けてきた娘の百合子(永作博美)が東京から戻って来て・・・。
周りからは絶賛の声しか聞こえてこないのですが・・・・・。
以下、ネタバレあり。
百合子はずっと不妊で悩んでいて、いろいろ本を読んだりもして努力していた。そこへ夫の不倫相手から電話がかかってきて、
「わたし、彼の赤ちゃんができたの。だから別れてあげて。」
と言われてしまう。自暴自棄になり、離婚届を残して実家へと戻ってきた百合子が目にしたのは、若い女性とお風呂に入っている父親だった。
背中流してただけね、念のため
彼女は「イモ」と名乗り、グループホーム(事情があって家庭の元にいられなくなった子供たちが生活する施設)にいた時に乙美に世話になり、彼女から「自分の四十九日は盛大にやって欲しい」と言付かったという。事情が飲み込めないながらも、イモやイモが呼んだ日系ブラジル人のハル(岡田将生)と共に生活していくうちに、乙美の人生がどんなものだったのか振り返るための年表を作ろう、という話になる。
乙美は良平の後妻で、百合子の実の母親ではない。それゆえどこか心を開ききれていないところがあった。年表を作ってみると、あまりにも空白が多いことに気がつく。百合子はふとこぼす。
「子供を産まなかった女の人生なんて、こんなになんにもないものなのね」
みたいなことを。これって、百合子自身にも当てはまること。
そこへ登場するのが、良平の姉、珠子(淡路恵子)。もうこの人がズバズバと物申しすぎなんですよ。
「百合ちゃん、あなたも子供産んでおけばこんなことにはならなかったかもしれないのに」
「産まなかったんだか産めないんだか知らないけどさ」
「うちの娘はあんたみたいにいい大学なんか出てなくて高卒だけど、立派に子供産んだわよ」
とかもう、うるさいっての!淡路恵子、ハマり役すぎて怖い。
『四十九日のレシピ』っていうタイトルから、乙美が残したという「暮らしのレシピ」には、いろんな料理の作り方が書かれているのかと思ったら、そういうことではなかった。少しはそういうのもあったけど、あとは掃除の仕方とか、四十九日は盛大にやってくれ、とか書かれてる。料理映画だと思って観に行くと、肩透かしくらいます。
二階堂ふみは、イラッとさせる女の子を演じさせたら天下一品。だけどどんどん純情なところが見えてきて、愛さずにはいられなくなる。不思議な子だ。
しかし、なんだかいろいろと突っ込みどころが満載でして・・・。まず、日系ブラジル人に岡田将生ってどうなの。下手な日本語話してるけど、わざとらし過ぎて興ざめ。デニスの行雄ちゃんじゃダメなの?(彼も日本語しか話せないけどさ)
一番許せないのが百合子の夫の浩之。不倫して子供まで作ったくせに、全然悪びれてない。
子供ができない百合子のために犬を買ってくるんだけど、百合子に「子供の代わりに犬飼えってこと?」とキレられ、「じゃあ明日ペットショップに返してくるよ」といいつつ、実はその犬は不倫相手の家で育てられていた・・・・。最低。地獄へ落ちろ。
極めつけは、四十九日本番。乙美の望みどおり、街中の人を呼んで盛大な四十九日の食事会を開くんだけど、そこへ珠子登場。みんなの前で「百合ちゃん、あなた決まったの?離婚」とかデリカシーなさすぎ発言連発。挙句の果てには
「まったくこんなふざけた四十九日なんて冗談じゃないわよ。バカバカしくてやってられない」
と言って、親戚全員引き連れて帰ってしまう。それでも残った人たちで楽しくお食事していたところに、なぜかハワイのムームーを着た珠子が再登場。
「やっぱり楽しくやるにはこういうのじゃないと」
とかなんとかで、その場の全員でフラダンスを踊りだす。
はぁ?
全然意味わかんないんですけど。
さらに、「不倫相手とは別れた。また君とやり直したい」と言って迎えに来た浩之と共に、東京へ帰っていく百合子。なんなの、それで許せるの?子供どうすんの?
確かにどこかのシーンでホロリと泣けたような気がしますが、フラダンスに全部持ってかれてどこだか思い出せない。あの珠子の行動はどういう意味なのか、誰か教えて欲しい。
ということで、☆2つ。
原作もフラダンスなの?そうなの?