『桐島、部活やめるってよ』
あらすじ
とある田舎町の県立高校映画部に所属する前田涼也(神木隆之介)は、クラスの中では地味で目立たないものの、映画に対する情熱が人一倍強い人物だった。そんな彼の学校の生徒たちは、金曜日の放課後、いつもと変わらず部活に励み、一方暇を持て余す帰宅部がバスケに興じるなど、それぞれの日常を過ごしていた。ある日、学校で一番人気があるバレー部のキャプテン桐島が退部。それをきっかけに、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始めていく。
やたら評判のよかった「桐島、部活やめるってよ」を観てきました。ちなみに原作はあんまり面白くないらしい。
以下、ネタバレあり。
最初に言っておくと、映画のタイトルにまでなっている「桐島くん」は、とうとう映画の最後まで出てきません。かといって、それがなにかを抽象的に表しているのかというとそうでもなく、確かに「桐島くん」という人は存在します。桐島の彼女も出てくるし、桐島の取り巻き連中たちもちゃんといる。いないのは、桐島だけ。不思議な話だ。
序盤、ある金曜日の一定の時間軸をいろんな登場人物の目線から見て繰り返すシーンがあります。「バンテージ・ポイント」や「ミッション:8ミニッツ」で使われてた、あれです。わたしニガテなんだよねー、こういうの。元はスタンリー・キューブリック監督が始めたらしいですが。
「桐島くん」が突然部活を辞めたことが、学校中の騒動になる。彼が所属していたバレー部はもちろん、全然関係ないバドミントン部や、めぐりめぐって映画部にまで。
いったい、桐島って、誰なんだ。
そこは別にわからなくてもいいんだと思う。ただのシンボルとして、そういうすごいヤツがいる、っていう認識だけで。その騒動に乗じて、クラスメートや部活の仲間たちの、なんていうか力関係みたいなものが浮き彫りになってくるのね。
どこの学校もそうかもしれないけど、なんとなく運動部>帰宅部≧文化部、っていう雰囲気があって。前田が所属する映画部は、その底辺にいるって感じ。そしてその映画部は、吹奏楽部をちょっと小ばかにしてる。
中学時代、吹奏楽部と映画部の掛け持ちだったわたしとしては、なんかこう、モヤッとしたっていうかなんていうか。
回りに誰もこの映画を観た人がいないし、観てみるって言ってた人もどうせ最初から観るつもりなかったんでしょ、と突っ込みたくなるくらい見逃してるし、わたし一人、この映画の受け止め方がわからずに悩んでいます。
結局、桐島が部活をやめるんだかどうだかってのは最後にはどうでもよくなってて、桐島のせいでこんなに振り回されてもういい加減にしろよ、冗談じゃねぇ、みたいな終わり方?(違うよたぶん・・・)
んー、どういう捉え方をすればよかったのかなー。ある意味、難しい映画。
ということで、☆3つ。
「SAYURI」の大後寿々花ちゃん、かわいくなくなってきちゃったね・・・。