<3D>一命

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一命
『一命』

あらすじ

元芸州広島・福島家家臣の浪人、津雲半四郎(市川海老蔵)と千々岩求女(ちぢいわもとめ・瑛太)。彼らは、各々の事情で生活が困窮していながらも、自分が愛する人との生活を願い、武家社会に立ち向かっていく。

一命

なぜだか3Dで観ちゃった、「一命」。この映画の内容を聞いた時、その内容のあまりの衝撃に「絶対ムリ」って思った。さらに「時代劇ダメ、海老蔵ダメ、3Dダメなわたしが観に行くわけがない」と言い切ったのに、映画館の人からやたら3Dで観るように薦められ・・・。タダ券があったので、3D料金だけ払って観てきました。思うがままの戦術にはまらないのが、わたしですw

以下、ネタバレあり。

もともと勤めていた藩が江戸幕府の陰謀(だったのか)によってお取り潰しになり、浪人となった半四郎。亡き上官の息子の求女を引き取り、自分の娘の美穂(満島ひかり)と共に育てていく。やがて成長した求女と美穂は結婚。子供も生まれ、貧しいながらも慎ましく暮らしている。

一命

しかしもともと病弱だった美穂は寝込むようになり、さらには子供まで高熱を出してしまう。医者に看てもらうための3両がない求女は、町で聞いたウワサを頼りに、とんでもない行動に出る。

映画の冒頭、半四郎が静かに名門井伊家を訪れ、庭先で切腹させて欲しいと願い出る。映画を観る前のネタバレは極力避けるわたしですが、この映画はなぜか観る前からストーリーがわかってしまった。原作も、小林正樹監督の『切腹』も観たことなかったけど、あぁ、そういうことなんだろうなって。

求女がやったのは「狂言切腹」。浪人たちが名家を訪ね、どうにもこうにも暮らしていけないから庭で切腹させて欲しいと願い出る。そんな面倒なことはされたくない(切腹するにはそれなりの場所が必要だからね)主人は、金銭を渡して帰ってもらう。これがウワサで広まり、いろんな家にまるで切腹などする気もない武士たちが訪ねていくようになる。

求女もこれをやろうとしたんだけど、井伊家のムカつく御家来3人衆の陰謀で、本当に切腹させられてしまうの。家老の斉藤(役所広司)をだまくらかし、着々と準備を進める3人衆。

一命

ただ3両が欲しかった求女には青天の霹靂。なんとか思いとどまってもらおうとするも、流れはどんどん切腹方向へ。何を言っても聞き入れてもらえず、とうとう庭で腹を切ることに。

一命

求女が持っていた刀は、すでに刃の部分は生活のために売り払われ、竹光(刃が竹でできている)だった。それを見た家来たちは、「ふざけやがって」と、その竹光で切腹させようとたくらむ。

竹で腹が切れますかっての!!!!
案の定、刺さらない。何度も何度もお腹に竹光を突き刺しても刺さらない。しまいには竹が折れ、ギザギザの繊維がむき出しになり、でもそれを刺したところで一文字にお腹は切れない。もがき苦しむ求女を見ても、家来はなかなか介錯しようとしない。見かねた斉藤が、自ら刀を持って止めを刺す。

一命

もう痛すぎて痛すぎて観ちゃいられなかった。もんのすごくこっちも力入っちゃって、疲れた。

あえて聞こう。なぜ、なぜこれを3Dで見せる必要が?別に内臓飛び出したりしませんよ、スプラッタ映画じゃないんだから。そもそも全然映像なんて飛び出てないし。なにが一番3Dっぽかったかって、チラチラと降り積もる雪だもん。あぁ、なんか立体的、って。ただでさえ時代劇って画面が暗いのに、3Dメガネかけたらよけいくらいんだもん。最後の方はメガネ外して観てたよ。

半四郎が求女の家に行ってみると、娘は息絶え絶え、孫も高熱で息を引き取ってしまった。いったい求女はどこへ行ったのかとやきもきしていると、そこへ井伊家の人たちが求女の遺体を運んでくる。

え、なにこれ。

意味がわからない半四郎たち。半四郎は井伊家の家来を追いかけて行き、事の次第を説明してもらう。そして家に帰ってみると、絶望した美穂が自ら命を絶っていた・・・・。

もう「そして誰もいなくなった」状態。で、冒頭の半四郎の切腹懇願シーンに戻るわけです。つまりは復讐ですね。半四郎も切腹する気はない。いや、死ぬ気なんだけど、1人じゃ死なないぜ、っていう。すでにそこへ行く前に、恨みは多少晴らしてきてはいるのですが。

最後は海老蔵劇場です。わたしはいつテキーラ入りの灰皿が飛んでくるのかと、ちょっとワクワクしたのですが(笑)。

お話的には、とても切ないです。もともといい暮らしをしていただけに、どんどん落ちぶれていく様がなんとも切ない。例え貧乏になっても幸せだったのに、こんな結末になっちゃって、なんとも割り切れないね。

もう一度言うけど、3Dで観る必要はないと思います。

ということで、☆3つ。
英題は「HARA-KIRI: Death of a Samurai」だって。なんて単刀直入。

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