わたしを離さないで

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「わたしを離さないで」を観てきました。
予告編を観て、なんだか妙に気になっていた映画。
とりあえずイギリスが舞台の映画は無条件に観る、のが信条です(笑)。

わたしを離さないで

『わたしを離さないで』

あらすじ

外界から隔絶された寄宿学校ヘールシャムで、幼いころから共に日々を過ごしてきたキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)。
普通の人とは違う“特別な存在”として生を受けたキャシーたちは、18歳のときにヘールシャムを出て、農場のコテージで共同生活を始める。

わたしを離さないで

以下、ネタバレあり。
外の世界から完全に隔離された『学校』という場所で育つ子供たち。
それが当たり前なのだと植えつけられていたら、それ以外の世界を知る方法などありはしない。

予告編を観たときから、話の筋はなんとなくわかってた。
これは、将来臓器提供をするためだけに生まれてきた人間たちの、悲しく切ないお話。

彼らがどうやって生まれて、ヘールシャムに入るまでどう育てられたのかはわからない。
遺伝子操作なのか、それとも育てられない親から捨てられた子供たちなのか。
ただ、彼らは自分の「オリジナル」を探してる。自分にそっくりな人がいたと聞けば、その人を確認しに行く。

わたしを離さないで

「オリジナル」が見つかったところで、何になるというのだろう。
つまりは自分が「クローン」だっていう証拠を掴みたいのだろうか。
自分の中に沸き起こる感情が、その「オリジナル」によってもたらされるものだとしたら、それはいったいどんな人間なのか。
どうしようもない人間だったから、『提供』する側にさせられたんじゃないか。

将来長生きすることも許されず、ただ人のため、知りもしない人に臓器を提供するためだけに生かされている。
そんなの、人権侵害もはなはだしい。絶対あってはならないことだと思う。
(じゃあ動物実験用に育てられてるマウスはどうなの、とかいう話になってしまいますが・・・)

とにかくもう、ずーんと重たい。全編に渡って。
イギリス特有の陰気臭い曇り空。これ、舞台がカリフォルニアじゃ全然違う話になっていく。
青い空、青い海、生きてるって最高じゃーん!みたいなさ。

わたしを離さないで

イギリスの海岸沿いの街には、「ピア」と呼ばれる海に突き出た建物が建っている。
かつてわたしが住んだ街にもピアがあった。年に1度、ガイ・フォークスの花火の日だけ、人がにぎわう。
だけど1年の大半は、ひっそりとして訪れる人もあまりいない。
この映画でピアが映るたびに、わたしの心を郷愁にも似た、胸を締め付けられるような感覚が襲った。

わたしを離さないで

今、日本がこんな大変な時。人の命って、いつ終わるかわからない。
もし自分の命が終わる日が生まれたときからわかっていたら、人は希望を持って生きていけるのだろうか。
いくら人を愛し、愛されても、それは刹那に消えていく。
少しでも長く生きたいと、根も葉もない噂を信じて「人生の猶予」を求める。こんな悲しいことってないよ。

誰かを救うために、誰かを犠牲にする。

『この命は、誰かのために。
この心は、わたしのために。』

この話が永遠にフィクションでありますように。

というわけで、☆3つ。
今この時期に観るべき映画ではなかったな・・・・orz
キーラが全然かわいく見えなかったし・・・。

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