パピヨン

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午前十時の映画祭」が通常通りの上映再開となって、1本目に観たのが「パピヨン」。
観る前からだいたいどんな話なのかは聞いていたけど、想像をはるかに超えていた。

パピヨン

『パピヨン』

あらすじ

胸に蝶の刺青があることから「パピヨン」(スティーヴ・マックィーン)と呼ばれる男がいた。彼は無実の罪で殺人犯の汚名を着せられ、仏領ギアナの監獄での終身刑を宣告される。
ギアナへ向かう船のなかで彼は、ルイ・ドガ(ダスティン・ホフマン)と呼ばれる書類偽造屋と出会う。そして、地獄のような強制労働の日々。いつしかパピヨンとドガとの間には奇妙な絆ができていた。

以下、ネタバレあり。

これ、1969年にアンリ・シャリエールが自身の体験を綴った実録小説「パピヨン」の映画化。
つまりほんとの話なんです。

一度入ったら絶対に脱獄は不可能といわれる南米ギアナのデビルズ島の刑務所。「ギアナの処刑場は人間を壊すための刑務所だ」とまで言われる場所から、パピヨンは何度も脱走を繰り返す。

脱走して見つかり、独房に監禁される。これがまた、壮絶。囚人仲間が栄養をつけるようにと、こっそりヤシの実を差し入れしてくれるんだけど、それが看守にばれてしまう。いったい誰からの差し入れなのか、いくら看守に問われてもパピヨンは答えない。すると、食事を半分に減らされた上、部屋の一切の明かりを遮断されてしまう。その状態で6ヶ月間。

パピヨン

半年もの間、光もない部屋で暮らすなんて、想像しただけで気が狂いそう。それでもパピヨンはなんとか正気を保とうとする。食事も減らされているので、口に入るものは何でも食ってやると言わんばかりに、わずかに漏れ来る光を頼りに虫を探し、それを潰してスープに混ぜて食べる・・・。虫って、ゴキブリとかムカデとかだよ。そんなものばっかり食べてるから、パピヨンはゲソゲソに痩せていき、歯も抜け落ちる。

あーあーあー!もう無理ーーー!!!!

この時点で、「わたしこの映画観続けられるだろうか」と本気で不安になったよ。スティーヴ・マックィーンは本当に減量したっぽくて、一説ではこの役が寿命を縮めたのではないか、と。(実際は50歳で肺がんで死去)

独房をやっとこさ出られたパピヨンは、またもや脱走して今度は独房に5年間(笑)。
なんかそのあたりから、だんだん面白くなってきましたね。懲りない男だな、こいつ、って。

刑務所からの脱走もの映画でまず思い浮かぶのは、かの名作『ショーシャンクの空に』。あの映画は観終った後、「脱走できてよかったね!」っていう爽快感がものすごく胸の中に広がるのだけれど、『パピヨン』はもう、「あんたまた逃げるのかいっ!」っていう、むしろツッコミに近いものがこみ上げる。

しかもなんだか、途中で「もしや夢オチ?」みたいなわけのわからないエピソードが突っ込まれてたりして、この人なんのために逃げて逃げて、そうまでして生きていきたいんだろうねみたいな、同情ともなんともつかない感情にすらなる。

最後の最後の脱走で、ヤシの実で作ったいかだを断崖絶壁から海に放り投げ、自分もそこから海に飛び込んでいかだに乗って陸を目指す、っていうシーンで終わるんだけど、海の中からダイバーがそのいかだを支えてるのが丸見えだったらしい。わたしは全然気がつかなかったんだけど。

いやぁ、とにかくすごい映画だった。観終わってすぐ、「もう二度と観たくない」と思った映画も珍しい。

というわけで、☆4つ。
映画自体は悪くないのだよ。わたしには耐えられないシーンがあったっていうだけで。
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