『刑事ジョン・ブック/目撃者』
あらすじ
ペンシルベニア州の片田舎に住むアーミッシュ(厳格な規律を守る超保守的なキリスト教の一派)の少年サミュエルは、母レイチェル(ケリー・マクギリス)とともに叔母を訪ねて旅に出る。その道中、サミュエルは駅のトイレで殺人事件を目撃してしまう。担当刑事ジョン・ブック(ハリソン・フォード)はサミュエルの証言から警察内部の犯行だと感づくが、その矢先、犯人の手により銃で撃たれて負傷する。なんとか母子を村に送りかえすも、その帰りに気を失うブック。そして倒れていたところを村人に救われ・・・。
若かりし頃のハリソン・フォードに会える映画、「刑事ジョン・ブック/目撃者」を観ました@午前十時の映画祭。原題は「WITNESS」。つまりただの「目撃者」。なんで「刑事ジョン・ブック」を加えたんだろうね。
先に言っておきます。傑作です。こんなに面白いと思わなかった。
以下、ネタバレあり。
劇中に「アーミッシュ」という、いわゆる宗教集団が登場します。自分たちだけの厳しい戒律を持っていて(電気使わないとか、怒ってはいけないとか、本は読んじゃいけないとか)、それに則って生きている人たち。わたしは学生の頃、英語の授業でアーミッシュについて勉強したことがあって、多少の知識は持っていました。でも何も知らないと、この映画の面白さは半減すると思う。もし観るなら、Wikipediaとかでかじっていくといいかも。
殺人犯を目撃しちゃったアーミッシュの男の子を犯人から守るために、ジョン・ブック刑事が奔走するサスペンス。かと思いきや、物語の重きは「アーミッシュとはなんぞや」に置かれている気がする。だから「刑事ジョン・ブック」がついたんじゃないかと思う。「目撃者」だけだとサスペンス要素しかないから。
アーミッシュの村は、ほとんど部外者は入れない。だからジョン・ブックは村が一番安全だと考えて男の子を村に返すんだけど、自分も怪我してるからそこで療養することになる。少しずつアーミッシュの生活に溶け込んでいく過程が面白いのです。
都会で暮らしていたジョン・ブックがどんどん牧歌的になっていって、徐々に村の人と打ち解けていって、最後にはまるでもともとアーミッシュだったかのようになじみまくっていく。少し笑えます。
アーミッシュの村には電話がないから、刑事仲間と連絡を取るためには町まで行って公衆電話を使うしかない。その町で、ちょっとした事件を起こしてしまったことから、居場所がばれてしまう。アーミッシュの村までやってきた殺人犯たちと、応戦するジョン・ブック。
その武器が、まさかのトウモロコシですよ。びっくり。トウモロコシで窒息。苦しいだろうなぁ・・・・。
そんなピンチのジョン・ブックを、アーミッシュの人たちが総出で助けに来るシーンには感動しました。「あぁ、仲間ってなんて素晴らしいんだろう」って。これってジョン・ブックが村人たちに認められたっていうことでもあるんだけど。
実はジョン・ブックと少年の母レイチェルは惹かれあっているんだけど、そこは厳しいアーミッシュ。なかなか成就しないのね。いまだにそういう生活を続けている集団がいるんだなっていう勉強にもなる映画です。
ちょっとドキドキハラハラ、クスッと笑えてジーンと来る、ステキな映画でした。
ということで、☆5つ。
今の時代だとケータイがあるから、どこでも電話できちゃうんだよねきっと。
午前十時の映画祭 23/50本