『激突!』
あらすじ
平凡なセールスマンであるマン(デニス・ウィーヴァー)は、借金取立てのため車でカリフォルニアを南へ向かっていた。途中、ハイウェイで前を行く大型トレーラーを邪魔に思ったマンは、強引に追い越しをかけた。ところが、その瞬間からトレーラーはマンを執拗につけ狙ってくる。恐怖を感じて逃げるマン、そして明らかな殺意を抱いて追う謎のトレーラー。その対決の行方は?
スピルバーグ監督の超初期の作品「激突!」@午前十時の映画祭。たまりまくった映画レビュー、とりあえず書いていきます(笑)。
以下、ネタバレあり。
原題は「DUEL」。決闘とか果たし合いとかいう意味。でも「決闘!」とかいうタイトルつけられてもなんか笑っちゃうので、「激突!」でよかったと思う。
もうね、これ、傑作です。すごい。まだ無名のスピルバーグが撮ってるんだけど、やっぱ天才の考えることは違うなと。
きちんと役名がついているのは、マンのみ。ほとんどこの人のセリフと独り言のみでストーリーは進行していきます。
1本道で前をノロノロと走っていた大型トレーラーを追い越してしまったことから始まる恐怖。とにかくこのトレーラーが怖いのなんのって。運転手の顔は一切映らない。もじゃ毛の腕と、足元がチラッと映るだけ。それによって、トレーラーがまるで自分の意思で動いているかのような錯覚に陥る。これがほんとに怖い。マンをトンネルの向こう側で待ち伏せしてるシーンなんて、「トレーラーいたーーーっ!!!!」って叫びたくなったもん。
ただ追い抜いただけのセダンをどうしてここまで執拗に追い詰めるのか。映画には詳しく描かれていないんだけど、このトレーラーにはなぜかたくさんのナンバープレートがついている。それって実は、今までそうやって「激突」してきた車から奪った勲章なんだってー!つまりそれが趣味ってこと!ひーっ!!!!!まったく変なトレーラーに引っかかっちゃったよ、マンってば!
でも、途中でエンストしてしまった幼稚園バスを助けてあげたりして、ちょっといいところもあるトレーラー。しかしその後はまた爆走してマンを追っかけてくる。なんなのこの人(もう人扱いです)。
車vs車もそうなんだけど、マンとトレーラー運転手の心理戦もすごい。マンが通りかかった普通の車に助けを求めようとしたら、前方からものすごい勢いで戻ってきて威嚇するトレーラー。もうやだやだ。思い出しても怖すぎる。わたし、しばらく夢にトレーラー出てきたもんね。しかも待ち伏せされてんの(笑)。
借金取立てなんてどうでもよくなっちゃって、このトレーラーをどうするかっていうことしか頭にないマン。ラストは対決を挑みます。果たして結果はいかに(それは観てのお楽しみ)。
あああ、怖かったけど、もう一度観たいなぁっていうくらい、面白かった。わたし、ペーパードライバーだけど、二度と運転したくなくなるくらい追い詰められた(爆)。
ということで、☆5つ。
ラストシーンのマン、印象的なんだけど、そっからどうするの???
午前十時の映画祭 47/50本