アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

スポンサーリンク


『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』

あらすじ

イギリス軍諜報機関のキャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、ケニア・ナイロビ上空の偵察用ドローンからの情報を基に、戦地からほど遠いロンドンでアメリカとの合同軍事作戦を指揮している。大規模な自爆テロ計画の情報をキャッチした彼女は、アメリカの軍事基地にいるドローンパイロットのスティーブ(アーロン・ポール)に攻撃を命じるも、殺傷圏内に少女がいることが判明し…。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

手に汗握る戦争映画。戦争は現場で起こってるんじゃない、会議室で起きてるんだ、みたいな。

ずっと追ってきたテロリスト集団のアジトをソマリアで見つけたイギリス軍のパウエル大佐。アジト内に空飛ぶ小型カメラを潜入させると、なんと自爆テロを行うために体に爆弾を巻き付けている真っ最中だった。一刻も早くそのアジトを爆撃して自爆テロを防ごうと命令を下すものの、直前になってそのアジトの前で少女がパンを売り始めてしまう。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
民間人、ましてや子供を巻き込むわけにはいかない。だけど放っておいたら自爆テロで多数の死者が出るのは確実。テロを食い止めるか、少女の命を守るか、パウエル大佐は上層部に指示を仰ぐ。

今ってもう現場に兵士が行かなくても、上空にドローンさえ飛ばしておけばミサイルを撃てる時代なんですよね。だからパウエル大佐も指示するだけで現場にはいない。ミサイル発射装置のスイッチを押す兵士も現場にはいない。現場にいるのはテロリスト集団と、まさか自分がそんな恐ろしい場所でパンを売っているだなんて思いもしない少女だけ。上層部は自分たち側にダメージがあるわけじゃないからとっとと攻撃したい、でも実際にミサイル発射の命令を下すパウエル大佐やスイッチを押す兵士は少女の姿を確認しちゃってるから、なかなか攻撃する決断が下せない。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
そこでどうするかというと、パンを全部買おうとするんですねー。頭いい!そうすれば少女も店じまいしておうちに帰れるもんね。さっそく現地にいる仲間にパンを買いに行かせるものの、でっかいパンを全部買おうとしてるから怪しまれちゃって、パンをそこらへんにひっくり返して逃げ出してしまう。そして少女は落ちたパンを拾ってまたお店を始めてしまう。はい、振り出しに戻る。

遠く離れた会議室にいるお偉いさんたちは、自分に責任が降りかかるのがイヤだから「もっと上層部に聞いてみよう」みたいな感じでどんどんたらい回しにしていく。今は何かあればYou Tubeで動画が世界中に拡散されてしまうから、もし少女を巻き込んだ場合に後々「誰がそんな命令を下したんだ」とバッシングされたくないわけです。そうこうするうちにどんどんと自爆テロの準備は進んでいってしまう。もうっ、早く誰か決めてよ!

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
パウエル大佐を演じたヘレン・ミレンがまあかっこいいんですわ。御年71。あんなおばあちゃんになりたいものです。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
そして『ハリー・ポッター』シリーズでスネイプ先生を演じていたアラン・リックマンの遺作でもあります。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
立場のある軍人さんだけど、家に帰れば娘に誕生日プレゼントをせがまれるお茶目なおじさんを演じていました。もうあのねっとりとした声が聞けないかと思うと悲しいです。R.I.P.

とにかくハラハラドキドキ、手に汗握る映画でした。ラストがまた切ないんだなこれが。本当に戦争はよくない。兵士が犠牲にならないからって、やっていいわけがない。でもこんなことが世界のどこかで日常茶飯事に起きているのかもしれないと思うと、なんともやりきれない気持ちになりました。

ということで、
100分ちょいっていうコンパクトさもいいです。中身凝縮。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


FXを学ぶ