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あらすじ

施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と、母親ジョイ(ブリー・ラーソン)。彼女はオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)によって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。

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オーストリアで実際にあった恐怖の事件「フリッツル事件」をベースとした映画です。

フリッツル事件とは

フリッツル事件(Fritzl case)とは、2008年4月に42歳の女性エリーザベト・フリッツルがオーストリアのアムシュテッテンの警察に対し、彼女が24年間に渡って自宅の地下室に閉じ込められ、父のヨーゼフ・フリッツルから肉体的暴力、性的暴力を受け、何度も強姦されたと訴えたことから発覚した事件である。父親からの性的虐待によって、彼女は7人の子供を産み、1度流産した。日本では、「オーストリアの実娘監禁事件」また「恐怖の家事件」等として報じられた。(Wikipediaより)

もうなんかありえない事件ですけどね。実の父親に24年も監禁されて、しかも7人も子供を産まされたなんて。この映画はその事件を基に書かれたエマ・ドナヒューの小説『部屋』を原作とし、監禁期間は7年、犯人は赤の他人となっています。

以下、ややネタバレあり。

前途洋々だった高校生(大学生かも)だったジョイは、ある日突然男に連れ去られ、天窓が一つあるだけの「部屋」に閉じ込められる。それから7年。その男との間に産まれた息子のジャックと共に生活している。

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小さなテレビはあるものの、ジャックにとってはこの「部屋」が世界のすべてで、テレビに出てくる人や物は全てニセモノ。この部屋にあるものとママだけが彼にとっての現実だった。ママはこの部屋の外にこそ本当の現実があるのだと、ジャックには知ってほしくなかった。知ってしまえば、部屋から出られない事実が逆に残酷に映るからだ。

5歳の誕生日、ママがケーキを焼いてくれた。でもテレビで観た誕生日ケーキにはロウソクが立っていたのに、ママが焼いたケーキにはそれがない。ロウソクが欲しいと駄々をこねるジャック。普通なら当たり前に手に入るものが、ここにはない。

夜になるとジャックは時々、クローゼットの中で眠ることを強制される。その日は必ずどこからかオールド・ニックという「男の人」が現れて、ママは決してクローゼットから出てはいけないという。でもある日、ジャックはクローゼットから出てしまう。ベッドに眠るのはママと、初めて見るママ以外の「人間」だった。ジャックに気づいたオールド・ニックは彼を激しく恫喝する。動揺し、泣きながらクローゼットに戻るジャック。この出来事はママにある決意をさせた。

「ジャック。本当の世界はこの部屋の外にあるのよ。これからあなたにそれを見せてあげる。」

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ママはジャックに死んだふりをさせて、オールド・ニックに部屋の外へと運ばせようと計画を立てる。無事に外に出られたら、大声で叫んで助けを求めなさいとママは言うけど、そんなこと怖くてできない。だって外の世界があるなんて、ついこの間まで知らなかったことだ。でも僕がやらなきゃいけない。そうすることでママが幸せになれるならば。

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初めて見る空、雲、車、人、それらがジャックの目に映った時の演技が本当に素晴らしい。たぶんわたしが生まれて初めてそれらを見た時の表情よりも、ずっとそれらしかったに違いない。

映画の前半は「部屋」から2人が脱出するまでを、後半はその後2人が現実社会でどう適応していくかを描いています。観ている間、もう何回泣いたかわからないよ。

ジャックはとにかくかわいくて、部屋にいる間は髪を伸ばしているから女の子みたい。そもそもママ以外の人間を知らないから性別なんて概念はないだろうし、自分もママみたいな格好をすることが当たり前だと思っていたのかもしれない。

無事に解放された後、ジョイの両親の家で暮らすことになった2人。でも両親は事件後に離婚していてジョイの父親は家を出ており、母親は違う男の人と住んでいた。そんな現実を受け止められないのはジョイの方。失われた7年間は計り知れない。

一方ジャックはというと、そこは子供だから吸収も早いし見るものすべてが新鮮だし、適応能力は高い。ジョイは自分をとりまく環境の変化と世間からの好奇心から、心を病んでしまう。

一番辛いのは、ジョイの父親がジャックのことを直視しないこと。孫なのに。そりゃそうだ、かわいい娘を誘拐した憎い男の子供でもあるのだから。だけどもしジャックがいなかったら、ジョイはきっと監禁に耐えられなかったと思う。もちろんジョイの方がジャックを身ごもったことに対する精神的ダメージは大きかったはず。それでもやっぱり自分のお腹を痛めて産んだ子なんだから。

ジョイはしばらく入院することになり、ジャックは祖母とその彼氏と3人で暮らすことになる。祖母はジャックの伸びきった髪の毛が気になっていて、何度も切ろうとするもののジャックは頑なにそれを拒む。髪の毛には不思議な力が宿っていると思っているらしい。

でも、ジャックはある決意をして、祖母に髪を切ってほしいと頼む。そしてバッサリと切るんだけど、この髪を切ったジャックがびっくりするほどイケメンで!!!!!!さっきまであんな天使みたいにかわいかった子が、こんなにかっこよくなるわけ!?何この髪型マジック!すげえ!!!(笑)。

今こうして普通に暮らしていることがある日突然普通じゃなくなって、そしてそんな普通があることを知らずに生きていくなんて、想像しただけでも耐えられない。ジョイの7年間、そして実際に監禁された女性の24年間を思うと、何気ない日常さえ幸せに思えてくる。もっといろんなことに感謝して生きていかなくちゃ。

ということで、/5
男性にもわかってほしいなー、こういうの。

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