『薔薇の名前』
あらすじ
ヨーロッパで宗教裁判の嵐が吹き荒れていた時代。キリストの財産をめぐる教皇派とフランチェスコ修道会との争いを調整するための会議に出席するべく、修道士のウィリアム(ショーン・コネリー)とアドソ(クリスチャン・スレーター)は北イタリアに向かっていた。ところが、若い修道士が不審な死を遂げたことをきっかけに、ウィリアムは調査をすることになる。そして起こる第2、第3の殺人。修道院という戒律に縛られた世界で起こる連続殺人事件の結末は・・・?
ショーン・コネリー主演「薔薇の名前」を観ました@午前十時の映画祭。インディー・ジョーンズ以外でコネリー氏を観たのは初めて、かも?
以下、ネタバレあり。
確か1300年代の頃のお話だったと思う。だから今の常識とはだいぶかけ離れてるところがあって、理解に苦しむ部分もある。たぶん現代よりも宗教がもっともっと重たく捉えられている時代で、神に背くことはそれこそ人生の終わり、みたいな。だけど修道士だって人間だからさ、ふと魔が差してしまうことだってあるんだよね。特に厳しく禁じられていることだったら、なおさら。
驚くことに、この映画の中で禁じられていたのは「笑い」だったのです。修道士は笑ってもいけないのか。毎日楽しく笑って過ごすことしか考えていないようなわたしにとって、当時の修道院はこの世の地獄だなこりゃ。
「禁じられた笑い(こう書くとものすごくおもしろい)」によって、繰り返される殺人事件。えー、もうさ、人を殺すくらいならさ、笑いなよ。笑うの認めちゃいなよ。笑えばいいじゃん!!!
ものすごく軽い映画みたいに書いてますが、実際はじとーっとした湿っぽい映画です。132分とけっこう長めなんだけど、最後まで飽きることなく観ることができます。特に美術が秀逸で、本物の修道院を改装して作ったセットとか、細部にまでこだわった小道具も一見の価値あり。目を背けたくなるシーンもややあったけどね。
タイトルにある薔薇なんてまったく出てこない。いったい何が「薔薇の名前」なの?っていう疑問は、ラストに解消されます。あぁ、そういうことだったのか、と。初恋の思い出って、美化されるよね(笑)。
ということで、☆4.5。
笑うって精神衛生上とっても大事なことだと思うの、やっぱり。
午前十時の映画祭 48/50本