『10 クローバーフィールド・レーン』
あらすじ
ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は目覚めると、自分が見ず知らずの2人の男性とシェルター内にいることに気付く。その日を境に、彼女を助けたと主張するハワード(ジョン・グッドマン)とエメット(ジョン・ギャラガー・Jr)との奇妙な共同生活がスタートする。ミシェルは、外は危険だという彼らの言葉を信じるべきかどうか悩んでいた。
2008年の『クローバーフィールド/HAKAISHA』をプロデュースしたJ・J・エイブラムスが、同じ世界観を作品内に取り込むかたちで製作したSFミステリー・サスペンス、らしいです。だけど続編だと思って観に行くと拍子抜けします。全然別物だと思った方がいい。
前作はなにやら得体のしれない巨大なゴジラみたいなやつにニューヨークが襲われて、大勢の市民たちが逃げ惑って大パニックの状態を描いていました。今作の登場人物はほぼ3人。だいぶこじんまりした感じの密室劇ですね。
彼氏とケンカしてやけになり、車を運転している途中で事故に遭ったミシェル。目覚めてみるとそこは病院ではなく、地下シェルターだった。偶然事故現場を通りがかったハワードがミシェルを自宅まで運んだらしい。しかもなぜだか手錠をかけられ監禁状態。
ハワードは、外の世界は何者かに攻撃されているからここから絶対に出てはいけない、と言う。にわかには信じられない話。前作同様なにやら得体のしれないものの存在は見え隠れするものの、主な恐怖は「ハワードの人となり」です。このおっさん、果たして信じていいものなんだろうか。
この地下シェルターを一緒に作ったというエメットも交え、3人の共同生活が始まる。
ミシェルは外の世界で起きていることを確かめようと脱出を試みるものの失敗。逆に血まみれになって助けを求めてきた女性を目にし、ハワードの言うことが正しいのではないかと思い始める。その後ハワードが過去に殺人を犯したのではないかと思われる痕跡を見つけてしまい、激しく動揺。そしてやっぱり脱出する方が得策だと考え、そこらへんにあるものを使って脱出スーツみたいなものを作り始める。
これ、試写会で観たんだけど、受付時に配られた案内に「ネタバレはこのシーンまでにしておいてください」って注意書きが書かれてたのね。でもそれより先のシーン、予告編でバッチリ流れてましたから。わたしはそれを何度も観ちゃってたから「どうせこうなるんでしょ」っていうオチがわかっちゃっててあんまりハラハラできなかったんだよね。本当になんの予備知識もなく観に行ってたら「ハワードってウソついてるの?なんなの?」って、もうちょっと楽しめたんじゃないかなー。
あと、前作は手持ちカメラで撮影した映像という作り方だったので画面がブレブレで、気分が悪くなっちゃう人が続出したっていういわくつき(笑)。でもこっちはちゃんとした(ちゃんとした?)カメラで撮影されているので、画面がブレたりすることはありませんでした。
ちなみに「クローバーフィールド」っていうのは、J・J・エイブラムスの会社(Bad Robot Productions)の前の行政区画の名前なんだって。だから大した意味はないと思われる。秘密主義者のJ・Jだから、意味があったとしても明かされないんじゃないかしら。
ということで、/5
怪獣映画を期待する、もしくは前作の謎が解き明かされるのを期待して観に行くと、完全に椅子から転げ落ちます。