おやすみなさいを言いたくて

スポンサーリンク

おやすみなさいを言いたくて
『おやすみなさいを言いたくて』

リビング試写会(オンラインで家のテレビで観る試写会)にて。

あらすじ

報道写真家のレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)は愛する家族の理解に支えられ、世界各地の紛争地域を取材で飛び回っていた。常に家族と一緒にいられなくても全て順調だと思っていたが、取材中に巻き込まれた事故を心配した家族から危険な場所へは二度と行かないと約束させられる。それをきっかけに、彼女は自らの信念をささげた仕事が家族を苦しめていることに気付き・・・。

おやすみなさいを言いたくて

紛争地域で起きていること、もはや遠い世界の話ではありません。つい最近、日本人が犠牲になる大変痛ましい事件もありました。誰かがそこに行って実情を伝えてくれるから、わたしたちはその内容を知ることができる。誰かが命を張って取材してくれるから、命がぞんざいに扱われていることを知ることができる。

じゃあ、いったいその命を懸けて頑張ってくれている人の命は誰が守ってくれるのか。

いくら本人が「自己責任」と言っても、事件に巻き込まれてしまえば政府は無視することはできない。ましてや残された家族の気持ちはどうなるんだろう。

レベッカは自分の命を顧みず、自ら危険な地域へと踏み込んでいく。映画の冒頭、なにかの儀式が行われている。人々が祈り、大地に深く掘られた穴には女性が一人横たわっている。葬式を思わせる雰囲気、しかしそうではなかった。その女性はこれから体に爆弾を巻き、市場へ行って自爆テロを行う。そのための、いわば「生け贄」の儀式。

こんなありえないことが、本当に起こっている場所が地球上にはあるのです。レベッカはその女性に同行して爆発に巻き込まれ、生死をさまよう大けがを負う。そんな目に遭っているのに、怪我が癒えたらまた戦場へ行きたいという。

残される家族はたまったもんじゃないよね。子供もいるし。「仕事と私とどっちが大事なの!?」って聞かれると男性はげんなりするっていうけど、レベッカの旦那だっておんなじこと聞きたかったと思う。でも聞いても無駄だってわかってたんだ。だから当然の行動に出る。レベッカに「家を出ていけ」と通告するのだ。

わたしはレベッカの行動に賛成はできなかった。子供には母親がそばにいることが大切だろうし、旦那さんだってそんな危ない仕事をしてほしくないはずだ。でもこれが逆だったら?旦那の方が戦場カメラマンだったら?

奥さんは行かせてしまうんじゃないかと思う。旦那さんの仕事を応援したい気持ちもあるだろうし、それこそ「仕事と私とどっちが大事なの?」って言いたいのをぐっと押さえて、むしろ背中を押してしまうんじゃないだろうか。たとえ心の中で「行かないで」と叫んでいたとしても。

わたしがこの映画を観たのはもう2か月近くも前で、あの事件は起きていませんでした。日本でもこういう話を身近に感じるようになるとは想像もしていませんでした。

「俺はこの仕事に命懸けてんだよ」とかうすら寒いことを言った知り合いを思い出し、切なくなりました。毎日終電で帰ることに命懸けてるのか、おい。

ということで、★★★★半/5
ラストシーンはさらなる衝撃です。本当に辛い。

にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


FXを学ぶ