幸せなひとりぼっち

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『幸せなひとりぼっち』

あらすじ

最愛の妻ソーニャ(イーダ・エングヴォル)を病で亡くし、長年勤めてきた仕事も突然のクビを宣告されてしまった59歳の孤独な男オーヴェ(ロルフ・ラッスゴード)。すっかり絶望し、首を吊って自殺を図ろうとした矢先、向いに大騒ぎをしながらパルヴァネ(バハール・パルス)一家が引っ越してきた。自殺を邪魔されておかんむりのオーヴェだったが、陽気な主婦パルヴァネは、そんなことお構いなしにオーヴェを積極的に頼るようになっていく。何度も自殺を邪魔された上、遠慮のないパルヴァネに最初は苛立ちを隠せないオーヴェだったが…。

幸せなひとりぼっち

今年度アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたスウェーデン映画。最高の1本です。

最愛の妻を病気で亡くし、おまけに会社からもクビを宣言されてしまったオーヴェ。とても59歳には見えない老けたおじさんは自他ともに認める偏屈な男。子供はいないし友達もいないし、もうこんな世の中生きていても仕方がないと自殺を決意。自宅のリビングの天井にひもをかけて首を吊ろうとしたその時、向かいの家に引っ越してきた家族の車がオーヴェの家のポストを壊してしまう。しかも運転が全然上手じゃないのでますます家を壊されそうな予感がしたオーヴェは、仕方なく運転を代わってあげて無事に車庫入れ成功。じゃあ気を取り直してまた首を吊りましょうかという時に、そのお騒がせ一家の奥さんであるパルヴァネがお礼も兼ねてご飯を持ってやってくる。また自殺失敗。こんな感じでことごとくパルヴァネに自殺を邪魔されるオーヴェは、そんなおせっかいな彼女に徐々に心を開いていき、死への執着もなくなっていきます。

最初の方のオーヴェはほんとにイヤなジジイで、こんな人が近所に住んでたら最悪だわと思わせるほどの人柄。でも生まれた時からそんなに偏屈だったわけじゃなくて、普通に頭の良い少年だったオーヴェは父親の自慢の息子だった。でもその父親が不慮の事故で亡くなってから、だんだんとオーヴェの人生の歯車は狂い始めてしまう。

そんな不遇の時に出会ったのが、のちに妻となるソーニャ。それまで女性と付き合ったこともなくデートではカチコチに緊張してしまうものの、無事に結婚までこぎつける。

幸せなひとりぼっち
そして出かけた新婚旅行で、またもや悲劇がオーヴェを襲うのです。

誰にも心を開かなくなっていた年老いたオーヴェが、パルヴァネと打ち解けていくうちに徐々に昔のことを語っていく物語の進み方です。観客はパルヴァネと同時にオーヴェの過去を知っていきます。パルヴァネは最初からオーヴェのことを受け入れてるというか、たぶん前情報が何もなかったからそんな変なオヤジとは知らなかったんだろうけど、普通に接していくんですね。ずっと人から距離を置かれていたオーヴェはそんな彼女に面食らうものの、彼女とその一家に振り回されていくうちに心がだんだんと柔らかくなっていく。なんだ、本当はいい人なんじゃん、このオヤジ。ずーっと不機嫌そうだった顔も笑顔を見せるようになったりして。

幸せなひとりぼっち
パルヴァネもパルヴァネで見てると若干イラっとするタイプの陽気さ(笑)。確か中東の方から亡命してきたっていう設定だったと思う。少し無遠慮でおせっかいだけど、それくらいの強引さがないとオーヴェの心は開けなかったと思う。

幸せなひとりぼっち
パルヴァネの子供たちにも懐かれ、すっかり近所のいいおじいさんになったオーヴェ。そのまま和気あいあいと過ごしていくのかと思った矢先、最後の悲劇がやってきます。そこからはもう泣けて泣けて。冒頭の「なんだあの偏屈ジジイ」っていう気持ちはすっかり消えていて、オーヴェにがっつり感情移入してました。

同じくスウェーデン映画で『100歳の華麗なる冒険』っていうのがあるんですが、その映画で主役の人が青年から100歳まで1人で演じていたので、オーヴェももしかしたらそうなのかなと思ったら全然違いました(笑)。

こういう映画って上映館も少ないし全然話題にもならないのが本当にもったいない。まあわたしが少しでも早くレビューを書いてたら興味を持ってくれる人が増えてたのかもしれないけど(反省)。DVDでもいいんでぜひ観てください。発売されるのかな?

ということで、
もう一回観たいなあ、これ。

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