ブラック・スワン

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ブラック・スワン

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あらすじ

ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するバレリーナ、ニナ(ナタリー・ポートマン)は、踊りは完ぺきで優等生のような女性。芸術監督のトーマス(ヴァンサン・カッセル)は、花形のベス(ウィノナ・ライダー)を降板させ、新しい振り付けで新シーズンの「白鳥の湖」公演を行うことを決定する。そしてニナが次のプリマ・バレリーナに抜てきされるが、気品あふれる白鳥は心配ないものの、狡猾で官能的な黒鳥を演じることに不安があり・・・。

ブラック・スワン

ずーっと観たいと思っていたのになかなかタイミングが合わず、あわや上映終了か?とビビッていましたが、なんとか観に行けました、「ブラック・スワン」。よかった。アカデミー賞ものは、一応押さえておきたい派です。

以下、ネタバレあり。

ナタリー・ポートマンが第83回米アカデミー賞で主演女優賞を獲得した作品。予告編を観ていた時から、ミョーに恐ろしそうな映画だと思ってた。メイクもすごかったし。ものすごく太いトゲみたいなのを背中から抜くシーンとかあって、これってホラー映画なの?って。若干ホラーもあり、ですな。(ジャンル的には「心理スリラー」というらしい)

ブラック・スワン

完璧であるがゆえ、さらに上の完璧を目指そうとして起こる悲劇。人間誰だって完璧になんかなれないのだよ。神様じゃないんだから。神だって完璧なのかどうかわかんないし。(カンペキって、繰り返して使ってるとなんかものすごく変な言葉に思えてきた・・・。)

白鳥と黒鳥の対比って、とてもわかりやすいと思うの。白と黒、光と影、善と悪、どうしたって白=良いイメージ、黒=悪いイメージ。だけどバレエの「白鳥の湖」という演目は、1人の人間が白と黒を演じ分けなければいけない。だからいくら白の踊りがよくても、黒という悪や憎しみに満ちた表現ができなければプリマに選ばれることはない。ニナもそうだったはずなのに、なぜか監督からプリマに選ばれてしまった(もちろん望んでいたことではあったけど)。

そこに現れたのが、新人ダンサーのリリー(ミラ・クニス)。

ブラック・スワン

タトゥー入ってるしガンガンタバコ吸うし、こうもわかりやすくニナと対極だと観てる方もわかりやすいね。優等生がちょっとやんちゃな子に憧れと嫉妬の気持ちを抱く、そんな感じです。

いくらがんばっても、監督は黒の踊りを認めてくれない。どこが悪いのか、指摘すらしてくれない。確か黒鳥って、連続36回転とかするんじゃなかったっけ。昔読んだバレエ漫画に描いてあった気がする。そしてだんだんとニナは自分の体を傷つけていくようになる。

家に帰れば超過保護な母親が待っている。ニナを妊娠したために、自らのバレエ人生に終止符を打った母親。だから余計に、ニナに掛ける期待が大きくなりすぎている。そんな母親を窮屈に思うニナ。

ブラック・スワン

リリーと夜の街に繰り出し、酒を飲み記憶を飛ばし、なんとリリーと体の関係を持ってしまう。

・・・・なんだけど、実はこの映画、現実と虚構が入り混じり、どれが空想でどれが本当なのかよくわからない。リリーとそういうことになっちゃったのも、空想かもしれないしほんとにやっちゃったのかもしれない。ここ、重要です。観客は最後までだまされ続けます。すべて「嘘だ」と思って観るのと、「本当?」って思ってみるのと、だいぶ捉え方が変わる映画なんじゃないかなぁ。

それにしても、ウィノナ・ライダーがおばちゃんになっていてちょっとショック。

ブラック・スワン

人生いろいろ、あったからねぇ。でもハマリ役だったと思うよ。出番ちょっとしかないけど。

観る前に、「これ、女版『レスラー』だから。」って聞いていて、それを念頭に置きながら観てたんだけど、どこが?っていうか、あなたのいう『レスラー』と、わたしが観た『レスラー』は同じ映画ですよね?と思ったら、『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督がこの映画を撮っていた、ということでした。なるほど納得。同じコンセプトって言われれば、あぁそうなのかも、と思えなくもない。

「死ぬ間際の白鳥は、最も美しい声で歌うという。」
これ、『BIUTIFUL』レビューの時も書いたけど、その歌のことを「スワンソング」っていうらしい。まさにニナは、とびっきりの一声を叫び、奈落へと落ちていった。大舞台に立てたから、それで満足?それで終わりでいいの?

トップに立ち続けるということは、下の人間には到底わからない苦しみがあるのだろう。だったらわたしは頂点になんて立ちたくない。最強のナンバー2で十分だ(笑)。

ということで、☆3.5。
なんかやっぱり、ムズカシイお話だったのよね。

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