『戦場にかける橋』
あらすじ
タイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所では、連合軍捕虜を使って、国境に流れるクワイ河に橋を架ける準備が進められていた。だが、英軍大佐はジュネーヴ協定に反するとして、所長と対立。英軍大佐の気骨に共感した所長は、捕虜の恩赦を条件に再度協力を要請。捕虜たちに生きがいを与えようと考えていた大佐はこれを承諾し、こうして建設工事が始まった。だが同時に、収容所から脱走した米海軍少佐の手引きによって、連合軍による架橋爆破作戦も開始されようとしていた・・・。
以下、ネタバレあり。
第30回アカデミー賞作品賞受賞作品。これ、原題は【THE BRIDGE ON THE RIVER KWAI(クワイ河にかかる橋)】なのだ。「戦場にかける橋」って、なんか違和感ある。だって、戦場じゃないし。戦場に向かうための橋、でしょ。というか、わたしにはまったくそんなことを語る資格などないのですが。
日本軍を演じているのは、たぶん生粋ではなくて日系の俳優さんたちなのかな。日本語おかしかった。斉藤大佐は早川雪洲が演じてる。日本人として初めてアカデミー賞にノミネートされたらしいです。
ちょっと笑える話。
早川はアメリカ人俳優に比べるとかなり背が低く、撮影の際は周囲とのバランスをとるため踏み台に乗せられることが多かった。そこから彼の名前「セッシュー」は、人や物を乗せてかさ上げをする台や、かさ上げすこと自体を指す撮影用語になった。
ぷっ。だって仕方ないじゃなーい。それも個性だとどうして捉えてもらえないのよ。
前半はイギリスのニコルソン大佐と斉藤大佐の、お互いの意地の駆け引きみたいなのが繰り広げられる。なかなか日本の規律に従わないニコルソン大佐、「オーブン」と呼ばれる灼熱の小屋に閉じ込められてしまう。あんなとこに何日もいたら、ほんとに焼け死んじゃうよ。ひどい。
まぁなんとか丸く収まって(ものすごいはしょり方)、いざ本格的に橋の建設が始まろうとした時、・・・・・・わたくし、心地よい眠りに入りました。やっぱりね、2本立ては無理。『ブラック・スワン』で力入りすぎて疲れちゃったんだもん。たぶん人より疲れる映画の見方をしてるんだと思う、わたし。
そして気がついた時には橋ができあがっていて、しかもせっかく造ったその橋を爆破しようとしていた。なんで?どうして?肝心なとこ見逃してるよわたし。
と思って泣きつくと、必ず誰かが助けてくれます(笑)。以下、教えてもらった内容。
「ワーデン英軍少佐が訪れ、バンコックーラングーン間の橋が完成、鉄道が敷かれれば日本軍はインドへ迫るだろうし、それを阻止するためには落下傘で挺身隊を降下させ橋を爆破するより方法が。」
「ワーデン、チャップマン、ジョイス、シアーズの4人からなる橋梁爆破挺身隊は輸送機からタイの密林地帯に降下。この時チャップマンは巨木に激突、落命した。残る3人は難行軍を続けた。」
あぁ、なるほど!確かに橋が完成しちゃったら、イギリスには戦局が不利になるもんね!って、それまでの苦労は水の泡でいいのか?いいんだ、日本軍の金で作ってるんだもん。
ちなみに教えてくれたのは例の映画館の中の人でした。なんて良心的なの、ほんとに(笑)。
しかも、最終的に爆破スイッチを押したのは、銃で撃たれてよろよろとよろめいて、転んじゃったところにたまたまスイッチがあったニコルソン大佐、っていうのがまた、アイロニック。
この映画のテーマ曲『クワイ河マーチ』もかなり有名。昔「サル ゴリラ チンパンジー♪」って替え歌、歌わなかった?しかし、この曲と『大脱走のマーチ』がかぶっちゃって、ごっちゃになる。
ということで、☆3つ。
2時間超の映画を観る時は、なるべく2本立ては控えるようにします・・・。
午前十時の映画祭 20/50本