ダイアナ

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ダイアナ
『ダイアナ』

あらすじ

1995年。ダイアナ(ナオミ・ワッツ)が夫のチャールズ皇太子と別居してからすでに3年の月日が過ぎようとしていた。ある日、彼女の良き友であり治療師でもあるウーナ(ジェラルディン・ジェームズ)の夫が倒れたと連絡が入り、ダイアナは急いで病院に駆け付ける。そこで彼女は、優秀な心臓外科医ハスナット(ナヴィーン・アンドリュース)と出会い・・・。

ダイアナ

日本語吹替版完成披露試写会に行ってきました。ダイアナの声を吹替えた米倉涼子さんが登壇しましたよ。

ダイアナ

いちいち司会者に突っかかっていくので、見てるこっちがハラハラした(汗)。

以下、ネタバレあり。
1997年8月31日、ダイアナが亡くなった日のことは、よく覚えています。1997年の3月までイギリスに留学していたわたしは、当時まだイギリスかぶれ真っ只中でした。友達と訪れていた沖縄の離島のホテルでテレビを観ていて、「ダイアナ死去」のニュース速報が流れました。その番組は「アッコにおまかせ!」で(笑)、スタジオにいた梨本勝さんにアッコさんが

「梨本さん、(イギリスに)行かなきゃいけないんじゃないの?」

って言ったことも覚えています。梨本さん、腕時計を見て「そ、そうですね・・・」って。芸能リポーターが行ってどうなる、とその時のわたしは思ってました。プリンセスですよ、そこらの芸能人が死んだわけじゃない。あなたの出番じゃない、と。なんならわたしが行きたいくらいだよって(ほら、かぶれてるから)。

ダイアナが亡くなった日のことを、ホームステイをしていた家のママに聞きました。

「あの日はお店も全部閉まって、みんな教会に行ってお祈りを捧げたのよ。それは奇妙な日だった」

と教えてくれました。離婚して王室を離れたので国葬にはできず、「国民葬」という形をとったそうです。葬列を歩く、(まだ髪の毛がいっぱいあってめっちゃかっこよかった)ウィリアム王子の姿は今でも思い出せます。

翌1998年の2月、再びイギリスを訪れたわたしは、ハロッズへ行ってみました。ダイアナと車に同乗していたドディ・アルファイドがオーナーだった巨大デパートです。その地下には、死から半年経つと言うのにたくさんの花が捧げられていました。ダイアナ、プリンセス・オブ・ウェールズの死を、まだまだ受け入れられないようでした。

ナオミ・ワッツはダイアナの表情やしぐさを本当によく研究していて、ちょっと首をかしげて話すところや上目遣いになるところがすごく似てた。きっと話し方もそっくりだったんじゃないかと思う。そういうのがわからないのが、吹替え版なんだよねー。ダイアナはあんなしゃべり方してなかったもん。もし観に行くなら、断然字幕版をオススメします(わたし観てないけれども)。

ダイアナの彼氏はドディ・アルファイド、というのが世間的な認識だと思いますが、本当は違いました。ドディと出会うよりも前に、心臓外科医のハスナット・カーンという恋人がいたらしいのです。この方、まだご健在のようで、いったいどういう心境でこの映画を観たんだろうか(観てないかも)。

チャールズとかカミラとかエリザベス女王とかは一切出てこず(名前は出るけど)、話の主軸はダイアナとハスナットの恋愛物語です。なんだ、そういうことなの?わたしはもっとチャールズとのいさかいとかカミラとの確執とかが出てくるかと思ったのに。さすがにそれはイギリス王室が許さないかもしれないが(でもチャールズの不倫はバッチリ認めてる)。

確かにダイアナがやったことは、世界に衝撃を与えました。いい意味でも悪い意味でも。その最たるものが、地雷原の中を一人で歩いたシーンだと思います。

ダイアナ

もちろん地雷は撤去済み、だけど100%安全という保証はない。そんな場所を一人の女性が、しかも元プリンセスが歩くことで世界に訴えかけられることはたくさんある。だけどメディアはそれを歪曲し、真実を伝えようとしない。理想と現実の狭間で、元プリンセスはわたしたちには到底理解できない苦悩を抱えていました。

それを支えていたのがハスナット。だけど彼はイギリス人ではなく、交際にも障害が多々あります。いくら二人が惹かれあっていても、周囲の目がそっとしておいてくれない。やがてダイアナはハスナットから離れ、その当てつけにドディ・アルファイドと交際を始めたのです。

・・・・って、これほんと?ほんとにそうなの?だってドディと結婚間近とか報道されてなかったっけ?それもハスナットへの当てつけ?

一度世界中に顔が知られてしまった人間は、たとえその地位を手放してももうひっそりとは暮らしていけないのね。彼女が本当に欲しかったものはなんだったんだろう。プリンセスの称号?それとも温かい家庭?彼女自身の生い立ちもそんなに幸せなものではなかったから、求めていたのは後者だと思いたい。だけど彼女は離婚に至る途中のBBCのインタビューでこう答えるんだよね。

「最初からこの結婚には3人いた。人員オーバーだった。」

って。オーバーしてるのは自分だってわかってるのに、それでも続けなければならなかった結婚生活。彼女の人生って、なんだったんだろうね。たった36歳で逝ってしまうなんて。

映画の内容については賛否両論で、泣けたっていう人もいればつまんなかったっていう人もいる。わたしは泣けなかったし(たぶん吹き替えだから)、想像していた内容でもなかった。でも、ダイアナの人間らしさっていうか、彼女も普通に恋愛する一人の女性だったんだっていうことがわかって、もっと長生きしてもらいたかったなぁとしみじみ思いました。だって今のわたし、彼女が死んだ時と同い年だもん。

ということで、☆3つ。
またイギリス行きたい。

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