『リトル・ミス・サンシャイン』

 

あらすじ

小太りの眼鏡っ子、オリーヴ（アビゲイル・ブレスリン）の夢は美少女コンテストで優勝すること。
地方予選で繰り上げ優勝した彼女は、独自の成功論に取りつかれる父リチャード（グレッグ・キニア）や母のシェリル（トニ・コレット）、自殺を図ったゲイの伯父フランク（スティーヴ・カレル）らと車で決勝大会の会場を目指す。

 

「FOXサーチライト リクエスト上映」ご招待2本目。
これも良作として有名な映画ですが、未見でした。今思い出しても幸せな気分になれる映画です。

 

以下、ネタバレあり。

 

ちょっと崩壊しかけた家族が、1台の小さな車に乗ってアリゾナからカリフォルニアを目指すロードムービー。
とにかくもう、面白くてかわいくてステキな映画です。

父親のリチャードは持論の幸せになる法則みたいなものを本にして出版しようと画策中（←でも騙されてる）。
祖父（リチャードの父）はクスリで老人ホームを退所処分になった問題児。
兄のドウェーンはパイロットになるのが夢で、ニーチェに傾倒するあまり「沈黙の誓い」を立てて一切口をきかない。
伯父のフランクは大学の教授で、男子学生に恋をし振られてしまったために自殺を図り、その後の動向が心配。
こんなはちゃめちゃな家族をまとめようと必死なのが、母親のシェリル。

そんな中、オリーヴは天真爛漫に育っていて、フランクにも平気で「その手の怪我はなに？」とか聞いちゃって、母親に「自殺しようとしたのよ」と単刀直入に答えられると「ほんとに死ぬ気だったの？」ってグッサリ。
お腹もぽっこりしてて眼鏡をかけてて、ぱっと見あんまりかわいくはないんだけど、以前親戚が住むカリフォルニアで参加した美少女コンテスト予選で繰り上げ優勝して、本選に進めることになる。
オリーヴは舞い上がり、「リトル・ミス・サンシャイン（優勝者）になる！」って大張り切り。
本選に参加するため、一家は車で1200km走ってカリフォルニアを目指すことになる。

その車がポンコツで、途中でエンストして動かなくなっちゃう。エンジンをかける方法は一つ、みんなで押し掛けすること。
足の遅い順からどんどん車に飛び乗っていくんだけど、これがもうすっごく面白くて。
特にフランクの走り方が最高。なんなのあれ。今でも思い出し笑いできる。

家族の再生とか、絆とか、そういうのが題材だとなんだか暗くなりがちだけど、この映画は全然そんなことありません。
みんながみんな、好き勝手な方向むいてるけど、カリフォルニアの太陽みたいに明るいお話です。
それもこれも、中心にオリーヴがいるから。
この頃のアビゲイル・ブレスリンはとてもかわらしいんだけど、最近はちょっと・・・・な感じになってきちゃった（笑）。

車の中っていういわば密室の中で、次々と起こる事件や発覚する事実。
これらはきっと、アリゾナの家の中にいるだけでは決してわからなかったことで、小さな車で家族がギュッと密着したからこそ、今まで言いたくても言えなかったことや知らなかったことに触れる事ができたんだと思う。
んー、家族旅行って、やっぱ大切だね。お互いの事を見つめ直すいいチャンス。

なんとかたどり着いたコンテスト会場でもやらかしてくれるこの家族。ラストシーンはスカッとします。
それにしてもオリーヴ以外のコンテストに参加してた子供たち、気持ち悪いくらい完成されている（ジョンベネみたいな（古っ！））。
親が最初からああいう風に育てるんだろうね。あまりにも子供らしくなくて、逆にオリーヴの純朴さが目立ってた。

この後この家族がどうなったのか、ちょっと見てみたい気もする。

 

ということで、☆4つ。
やっぱりわたし、スティーブ・カレル好きだわ。