観る予定はなかったけど、なんか時間が合っちゃったので行って来ちゃいました、「サヨナライツカ」。
これってR-15+だったんですね。知らなかった。
『サヨナライツカ』
あらすじ
1975年、バンコクの高級ホテルに暮らしている沓子(中山美穂)は、お金に不自由なく、男性から愛される満された日々を送っていた。
ある日、沓子はバンコクに赴任してきたエリートビジネスマンの豊(西島秀俊)と出会い、二人はたちまち惹かれ合うが、実は豊には東京に残してきた光子(石田ゆり子)という婚約者がいた。
以下、ネタバレあり。
(12年ぶりにスクリーンに戻ってきたミポリンを観て思ったこと。
「老けたな・・・・・・・・・・・・・・」
あんまりメディアへの露出がなくなると、あぁなっちゃうのかと悲しくなりました。
ほうれい線が痛々しいよ、アップになると。スタイルはバツグンにいいのだけれど。
最初にこの映画の企画が持ち上がったときに撮っておいた方が、やっぱりよかったんじゃないかと思った。)
沓子はオリエンタルバンコクのサマセット・モームスイートに暮らしている。
いったい働いているわけでもないのに、どこからそんな金が出せるのか。
前の男からの手切れ金?それとも沓子本人が娼婦なの????
結局最後まで答えは出ず。
イースタンエアラインズに勤める豊は野心家で、いつか自分の航空会社を持ち自分の飛行機を空いっぱい飛ばしたいと思ってる。
「好青年」なんて呼ばれているが、バンコク支社に転勤になり、沓子と出会ってしまう。
婚約者の光子がバンコクにやってくるまでの3ヶ月間、という期限付きのつもりで沓子と付き合い始めた豊。
でも、次第に沓子から離れられなくなっていく。はい、ドロ沼。
これが原因で会社をサボり、同僚ともケンカしてしまい、なんだかもうダメンズまっしぐらな豊。
ムキーーーーーッッ!!!!!!!!!!!
どいつもこいつも許せない!!!!!!!!!!!!!
最初から豊には婚約者がいると知っているのに近づく沓子。
日本に残した光子に罪悪感を感じつつも沓子とズルズル別れられない豊。
そしてびっくりなのが、光子さんです。
なんと、豊にナイショで、日本からバンコクにやってきちゃうのです。沓子に会いに。
コワイ・・・
世間知らずのお嬢様かと思えば、とんでもない行動力を発揮する光子さん。
沓子と一緒に写真なんか撮っちゃったりもする。
しかも沓子に「日曜日の午前中までに、豊さんと別れてください」と告げて日本に帰る。
沓子は自分が負けたと悟り、日曜日の午前中の便でニューヨークへと発つ。
ドンムアン空港で、豊と涙ながらのお別れ。
するとそこに、何食わぬ顔で日本からのフライトで到着した光子が現れるんだよーーー!!!
「豊さん、どうして泣いているの?」とか言っちゃって。超したたかw
そうそう、これって昔のドンムアン空港だからできることなんだよねー。
今のスワンナプーム空港じゃ広すぎて絶対ムリだよねー。
あ、思い出した。わたし、ドンムアンでガイドさんからプロポーズされました(実話)。
バンコクの街並みは観ていて懐かしかった。まだスカイトレインもない頃だし。
時は流れ、25年後。豊と光子の間には2人の息子がいる。
イースタンエアラインズの副社長になっていた豊は、タイ航空との提携のため、再びバンコクを訪れる。
宿泊先は、オリエンタルバンコク(この時はすでに「マンダリン・オリエンタル・バンコク」だと思う)。
すると、ニューヨークにいるはずの沓子が、VIPマネジャーとして働いていたのです・・・・。
思わず吹き出してしまった。どうなんだ、この転落ぶり。
かつてはスイートで暮らしていた人間が、今じゃそのホテルに雇われてるって。
いつかくるはずの豊を待つためには、最善の方法だったのかもしれないけどさ・・・。
日本を発つ前、豊は光子からある本を渡される。
それは光子が(自費?)出版した、「サヨナライツカ」という詩集。
その本の間には、1枚の写真が挟まっていた。
25年前、光子が沓子と一緒に撮った写真。
25年も経って初めて、豊は光子が自分と沓子の仲に気づいていたことを知る。
そしてたぶん、この2人は離婚するんだ。だって、豊はバンコクで沓子と結婚式挙げるんだもん。
これってさー、誰が一番切ないんだろう。
25年間お互いを思っていた豊と沓子?それとも25年間知らないフリを続けた光子?
あたしは誰にも感情移入できなかったよ(しいて言えば、光子)。みんな自分勝手でさ。
でも、隣りでは女性が号泣しながら観てる。
どこ?泣くポイントはどこよ?教えてくれ。
どうしてイマイチ気分が乗らないのか。しばらくして気がつきました。
あの「私の頭の中の消しゴム」ですら、あたしは泣けなかったのです。
シーンの前後を考えずにブッツブツ切りまくるし、無駄なシーンがやたら多いし。
せめて日本人の監督で撮ってほしかったなぁ。
25年という歳月を表すために、出演者の顔にはシワがいっぱい書き込まれているんだけど、手の甲のお迎えアザだけはやりすぎだと思った。
いくら25年経ってたとしても、彼らは50~60代なはず。それなのに、あの手の甲はありえない。
顔が老けても声が若いから違和感あるし。でも加藤雅也だけはやりすぎ(笑)。
ラスト、病気で死んでしまう沓子。
自由奔放に生き過ぎた分、なんだか寂しい最期だったような。
ニューヨークロケもあったって聞いてたんだけど、いったいどこにそんなシーンが????
前評判に踊らされた感たっぷりな鑑賞後でした。
ほんの一瞬、「金返せ」って思った。
ってことで、☆2つ。
「あなたは死ぬ前に、愛したことを思い出しますか、それとも愛されたことを思い出しますか。」