スタンド・バイ・ミー

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やっぱりいい映画は、いつ観てもいいんだね。
てなわけで、「スタンド・バイ・ミー」を観てまいりました@午前十時の映画祭

スタンド・バイ・ミー

『スタンド・バイ・ミー』

あらすじ

オレゴン州の小さな町キャッスルロックで暮らす、感受性豊かな少年ゴーディ(ウィル・ウィートン)。
彼にはいつも一緒の3人の親友がいて、それぞれが家庭に問題を抱え、強い仲間意識で結ばれていた。
そんなゴーディはある日、汽車に轢かれた子供の死体があるという話を聞き、クリス(リヴァー・フェニックス)ら仲間たちと4人で探しに行くことに。

スタンド・バイ・ミー
左からゴーディ、バーン、テディ、クリス

以下、ネタバレあり。
この映画、現在でも高い評価を得ており「人生において二度観る映画」と称されているそうです。
一度目は少年時代、二度目は大人になってから。

観たことない人でも、「あぁ、あの線路歩くやつね」と言われれば、なんとなくピンとくるだろうし、Ben. E. Kingが歌うあの有名な主題歌を聞いたことはあると思う。
わたしなんてもう、観終った後ずーっと今に至るまで、ベース音が耳から離れないからね。

4人の12歳の少年たちは、それぞれのキャラが確立されていて、観ていてとてもわかりやすい。
アメフトの有望選手で両親の寵愛を受けていた兄を亡くし、自分は必要とされていないのでは、と悩むゴーディ。
とてもやさしくて友達思いのいい子なのに、家庭環境がよくないせいでレッテルを貼られているクリス。
アル中の父親に虐待されながらもそんな父を慕い、ちょっとしたことですぐキレてしまうテディ。
不器用で友達からからかわれてばっかりで、あんまり意気地もないけどどこか憎めないバーン。

スタンド・バイ・ミー

主役はたぶんゴーディなんだけど、これはどうみたってリヴァー・フェニックスの映画です。
クリス、かっこよすぎるし、すでに渋さも醸し出している(この時リヴァーくん、16歳)。
ヘロインとコカインのオーバードーズで、ジョニー・デップのクラブの前で倒れて帰らぬ人になったのは23歳のとき。
なんだか、信じられないね。

とかく子供時代って、秘密基地だとか冒険だとか、ワクワクするものにものすごく興味を持っているもの。
わたしも友達と倒木を集めて裏庭に(しかも人んち)小屋建ててみたり、勝手に秘密の地図を描いて宝探ししたり、けっこう面白いことやってたな、今思い返してみれば。
今でも秘密結社的なものに心躍るし、フリーメイソンとか騎士団とか聞くと妙な胸騒ぎを感じちゃう。

だけど、この4人の冒険はそんな生易しいもんじゃない。
本当にあるかどうかもわからない子供の死体を捜しに、一昼夜かけて長い長い線路を延々と歩いていくんだもの。

スタンド・バイ・ミー
この写真、なぜか裏焼き

途中野宿をしている時にクリスが吐露する胸の内、とっても悲痛。
アル中の父親と不良の兄のせいで将来に希望が持てなくて、担任の先生にすら裏切られる。
本当はこんな人生イヤなんだ、だけど抜け出せない。どうしようもない。12歳にして人生悟ってる。

だけど、クリスは成長して立派な弁護士になって成功する。
でもその正義感があだとなって、けんかの仲裁をした時に喉を刺されて死んでしまうの。
そのクリスの死亡記事を新聞で見たゴーディが、12歳のときの冒険を振り返る、っていう映画です。

クリスの兄貴の不良仲間のリーダーであるエースが、あのキーファー・サザーランドだったっていうのを今回初めて知った。

スタンド・バイ・ミー

だってわたしが以前観た頃には、「24」なんてやってなかったもん!
なんだよ、ジャック・バウアー、昔はワルだったんじゃん、っていう変な勘違いをしながら観てしまいました(笑)。

優秀な兄に対するゴーディの複雑な気持ちは、「カインコンプレックス」というのだそうです。
「エデンの東」にも通じる、カインとアベルのお話から来ているみたい。
父親から「おまえが死ねばよかったのに」って言われちゃう悪夢を見るほど、ゴーディは深く傷ついている。
親が兄弟を比べるって、やっちゃいけないことだと思うんだよね、きっと。
そんな現実から逃避したくて、ゴーディは物語を書く。
空想の中でなら、自分はどんな人間にだってなれるし、面白おかしく人生を味付けすることだってできる。
そうやって成長して、ゴーディは大人になって物書きとして生業を立てている。
この映画も、ゴーディが当時を振り返る小説を書いている、っていう風に締めくくられます。

映画館で、わたしの1列前に4人の親子連れが座っていて、なんかすごくいいな、と思ったの。
たぶんご両親はかつてこの映画を観たことがあるに違いない。それを子供たちにも見せてあげようっていう感じが。
ほら、冒険はこうやってするんだよ、っていう、良きバイブル的映画。
子供は小さすぎて、字幕読めなかっただろうけどね。飽きてジタバタしてたし。
そして母はいびきをかいて爆睡し、きっと楽しんでいたのはパイの大食い競争シーンで大笑いしていた父だけ(爆)。
この映画、なぜかPG-12指定。どの辺が?タバコ吸うから?でもあれはキャベツの葉っぱらしいよ。

はぁぁ。
観終った後、「わたしもスタンド・バイ・ミーやりたい!」って本気で思った。
もっともっと冒険すればよかったし、子供の頃の多少のムチャはきっと大人になっても心の奥深くに残っているはず。
途中テディが「子供時代はもう2度とないんだよ!」って叫ぶところがあるんだけど、その通りだなって思ったよ。

・・・いや、今からだって別にいいじゃん。夜中に線路歩いちゃおうよ。
わたしが目指す先にあるものは決して死体なんかではなく、明るい光り輝く希望であることを信じて。
もちろんBen. E. Kingを高らかに歌いながら(近所迷惑ですごめんなさい)。

あと、なぜだか「グーニーズ」を観たくなりました。コリー・フェルドマンつながりで(無理矢理)。

というわけで、☆5つ。
人生に2度、と言わず、何度でも観返したい映画の一つです。
Please, please stand by me for good, you know.

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