英国王のスピーチ

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英国王のスピーチ
『英国王のスピーチ』

あらすじ

幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが・・・。

英国王のスピーチ
アカデミー賞で騒がれるずっと前から観たかった映画、「英国王のスピーチ」。なぜならこれがイギリス映画だからです。

王様になんてなりたくなかった、王様のお話。

ジョージ6世は、現女王エリザベス2世のお父さんに当たる人。本当はもっと前に映画化する話があったらしいんだけど、妻エリザベス(現女王のお母さん)が「生きている間は公にしてほしくない」と言ったらしく、今こうして映画が作られたそうです。

ジョージ6世は次男坊なので、自分は王位を継ぐことはないと思ってた。ひどい吃音だし、人前に出るのもニガテだし、別に王様になりたいだなんて思ったこともなかった。

だけど、父ジョージ5世が亡くなり、兄のエドワード8世が王位に就くものの、アメリカ人の離婚歴のある女性と結婚するため王位を捨ててしまい、仕方なく王様になることになっちゃった。即位が決まった日、ジョージ6世はロンドンの母親の元を訪れて泣きじゃくったそうです。

英国王のスピーチ

このエドワード8世っていうのがね・・・。純愛を貫いて王位を捨てた、みたいなステキな話になってますけど、実はそうでもなく。王位を捨てさせたウォリス・シンプソンっていう女性は2度の離婚歴があって、しかもエドワードと交際中はまだ人妻だったの。英国国教会に反発してまで、ウォリスを離婚させて王家に入れたかったんだけど、さすがにそれは国民も許さない。それで王位を捨てることを決め、半ば追放みたいな感じでウォリスとパリに行っちゃう。で、そのお鉢が回ってきてしまったのが、ジョージ6世。かわいそうに。

英国王のスピーチ
自分勝手、エドワード8世

王族の一員である以上、イヤでも国民の前で演説する必要がある。でもどんな医者に診てもらっても彼の吃音は治らない。そこで白羽の矢が立ったのが、オーストラリア人のライオネルだった。

英国王のスピーチ
あぁ、バルボッサ!

彼は平民なのに国王を愛称の「バーティ」と呼び、決してへりくだらない。あくまでも対等の立場で国王と接する。吃音矯正のやり方も面白くて、笑ってしまうシーンがたくさんあった。特に国王に「F Word」を連発させるシーン。国王だって、汚い言葉を叫びたい時だってあるよね。この映画、アメリカではR指定らしく(そのF Wordが問題だ)、だけど子供の客を増やすために汚い言葉の部分を無音状態にして、R指定を外すことを検討しているんだとか。その汚い言葉が面白いのに。意味ないじゃん。

ライオネルにはある秘密があって、後々国王にそれがバレてしまうんだけど、それも全然意に介さず。とにかく国王と一心同体になって、吃音を治そうと努力してくれる。

戴冠式のリハーサルの時、ウェストミンスター寺院の中を興奮しながら歩くライオネルが印象的だった。あの建物の下って、いろんな著名人が眠ってるんだよね。その上を歩くなんて、とかいいながら歩いてる。ちょっとこのあたりは「ダ・ヴィンチコード」を思い出したりもした。

生まれつき吃音の人は、いないんだそうです。ジョージ6世の場合、小さい頃両親にきつく躾けられたり、乳母から嫌がらせを受けたりして心の傷を負ってしまったためになったらしい。X脚を直すための金具の装置を、ずーっと付けられていたこともあったみたい。ものすごく痛いんだって。

それにしてもイギリス映画、言葉が大変わかりやすい。役者のほとんどがイギリス出身(ジェフリー・ラッシュはほんとにオーストラリア出身)だし、知ってる役者さんがいっぱいでてきてうれしかった。

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ベラトリクス!

英国王のスピーチダンブルドア校長!

英国王のスピーチ
スキャバーズ!

ハリポタ率高いです。スキャバーズなんて、他のどんな役やってもスキャバーズにしか見えないよ。

2時間の物語、特に大きな事件はありません。どうやって国王がライオネルと一緒に吃音を治していくか、ということが淡々と描かれているだけ。一番の山場は、第二次世界大戦開戦前夜、全国民へ向けた9分間のスピーチを無事にやり遂げられるかどうかというシーン。

英国王のスピーチ

序盤のうまくできなかったスピーチの時もそうだけど、とにかく「頑張れっ!」って応援したくなる。コリン・ファースの吃音は、どうやら英国で吃音研究している人たちから絶賛されたらしく(絶賛、てのも変な話)、完全にどもってる。頑張れ、どうか失敗しませんようにって、祈らざるを得ない。

自分が幼少期に辛い思いをしたせいか、自分の家族はとても大切にしていたジョージ6世。家族の支えあってこそ、やりたくなかった国王という義務を果たせたんじゃないかな、とも思う。もちろん、破天荒なライオネルのおかげもあるけど。生涯に渡って、ジョージ6世とライオネルの友情は続いたそうです。爵位もあげちゃったし。

英国王のスピーチ

やっぱり、愛って大事だよ。家族、友人、恋人、なんでもいいけど、愛されてるって感じるから頑張れる。でもエリザベスは、生涯エドワード8世を許さなかったらしい(笑)。

それにしても、昔の王族はあんな風にホイホイとお出かけできたのかしらね?今だったらパパラッチに追い回されて、大変なことになりそうだけど。そして霧のロンドンが、ものすごく陰気に見えて懐かしい。本当は霧じゃなくて、煙突の煙らしいけどね。

というわけで、☆5つ。
無条件に好き。だってイギリス映画だもん(しつこい)。ぜひ劇場でご覧くださいませ。

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