『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』
あらすじ
オランダの大富豪の息子ヤーコブ(イェロン・ファン・コーニンスブルッヘ)は、母の死後に自殺しようとするもあえなく失敗。偶然知ったベルギーの代理店が「最終目的地への特別な旅」のプラン、つまり自殺ほう助を行うサービスを提供していたことから、ヤーコブはどのタイミングで死ぬかわからないサプライズコースに申し込む。ところが同じコースを選んだアンネ(ジョルジナ・フェルバーン)と出会い、心境が変化していき……。
生きる意味を見出せない貴族が、旅行代理店に“あの世行き”の旅を発注するお話。
お金がいっぱいあって、生きていくには何不自由なく見えるヤーコブ。だけど彼にはもう生きていく気力がなかった。自殺を試みるもことごとく失敗し、最後に車の中に排気ガスを引きこんで死のうとしていたところ、偶然ベルギーの自殺ほう助代理店に遭遇。自分もそこへ申し込むことにする。
もちろんこんな代理店は違法であって、やってることは人殺しなんだけど、それをいかに自然死に見せるかっていう(笑)。崖から突き落したり、アパート爆発させたり、けっこう過激だけどね。
ヤーコブが自分が入る棺を選んでいる時、同じく代理店に申し込んだアンネと出会う。本来客同士が交流することは禁じられているんだけど、2人はちょいちょい会うようになり、次第にヤーコブは「死にたくない」と思い始めてしまう。でももう後の祭り。いったん申し込んだものはもう取り消せないのだ。
そして2人の逃避行が始まる。ここからの展開がすごく面白いんだよね。そもそもアンネはなぜヤーコブに近づいてきたのか。感情を表に出さずに生きてきたヤーコブがようやく愛を見つけ、それを相手に示そうとしたときにやってくる「突然死」。もう逃げられないの?どうなの?っていう。
すごくきれいなアンネ役の人、ずっとエマニュエル・ベアールに見えて仕方なかった(エマニュエルはもっと歳とってるけど)。
ちゃんと伏線も回収されてて観た後なんかすっきりした。
ということで、/5
いつかあんな商売も合法になるのかもしれないね。