『トンネル　闇に鎖（とざ）された男』

あらすじ

無事に大きな契約を済ませ、妻セヒョン（ペ・ドゥナ）と娘の待つ自宅へと車で帰ろうとしていた自動車ディーラーのジョンス（ハ・ジョンウ）。だが、山中のトンネルに入ったところで崩落事故に巻き込まれて車ごと生き埋めになってしまう。目覚めるとがれきに囲まれており、手元には水のペットボトル2本、誕生日を迎えた娘に買ったケーキ、バッテリー充電が78パーセントの携帯電話のみ。一方、トンネルの外ではレスキュー隊を率いるキム（オ・ダルス）らが救助に取り掛かるが……。

日本でもあった、高速道路の天井崩落事故を思わせる映画。むしろ題材にされたのかな？

仕事を終え、娘の誕生日のために買ったケーキを携え車で帰路についていたジョンス。途中で寄ったガソリンスタンドで店員がもたつき、ちょっとイラっとしているところにその店員が詫びのしるしだかなんだかで水のペットボトル2本をくれる。のちにこれが大きな役割を果たすのだけど、店員がもたつきさえしなければジョンスはトンネルを抜けられたかもしれない。

トンネル崩落の原因は明らかな手抜き工事。救助隊がジョンスのもとへ向かおうにもがれきに阻まれて不可能。

救助隊は携帯電話でジョンスと連絡を取り合う。だけどバッテリーにも限界があるから連絡する回数も限られる。しかしサムソンのスマホってそんなに電池持ちいいのかしら。どっかで爆発してた気がするけど。

ジョンスの帰りを待つ妻のセヒョンは世間からの同情を集める。

レスキュー隊の隊長キムはなんとしてでもジョンスを助けようと必死に策を練る。そこで思いついたのが、地表からジョンスがいる場所までドリルで穴をあけて、小さなエレベーターを下ろすこと。ジョンスがいる場所から番号がついている柱が見えるという言葉を信じ、目安をつけて穴を掘り始める。

しかし、そもそも手抜き工事だったため、あるはずの柱が1本なく、キムたちが掘っていたのは1本ずれたまったく見当違いの場所だった。絶望するジョンス。責任を感じるキム。

実はトンネル内にはジョンス以外の人も閉じ込められていたのだけど、残念ながら命を落としていた。現在救出されるべき人はジョンスだけ。莫大な金をかけ、たった1人を救助するのかと世論はだんだんと救助反対の方向へと傾いていく。

暗いだけの話かと思いきや、真っ暗闇の絶望の中でもジョンスは意外と希望を失っていなくて、クスっと笑えるシーンがあったりしてそんなに気持ちは重たくならなかった映画です。でもこういう事故って自分じゃ防ぎようがないし、本当にいつ起こるかわからない。仮にがれきの直撃を免れたとしても、そんな暗闇にたった一人取り残されたんじゃ生きる気力だって失ってしまうかもしれない。

果たしてジョンスは無事に救出されるのか。結末はぜひ映画をご覧ください。

ということで、
久しぶりに骨太な韓国映画を観ました。