『藁の楯 わらのたて』
あらすじ
少女が惨殺される事件が起き、殺人事件の懲役を終えたばかりの清丸(藤原竜也)が指名手配される。清丸を殺せば10億円の謝礼を支払うという新聞広告が出され、身の危険を感じた清丸は福岡県警に自ら出頭。清丸の命が狙われるという状況下、警視庁警備部のSP銘苅(大沢たかお)と白岩(松嶋菜々子)は凶悪犯を東京の警視庁まで移送することになる。
「藁の楯 わらのたて」の試写会に行ってきました。大沢たかおと松嶋菜々子、W主演?
清丸=キヨマルは、かつて少女を殺して服役後、仮出所中にまた新たな殺人を犯した、本当に救いようがなくどうしようもないクズで、裁判になれば死刑になるのはほぼ確実。そんなヤツの命を、自分の体を張って守ることに意味はあるのだろうか?観ている方はどうしてもそう思ってしまう。
10億と言う金額に目がくらんで、警察官さえもキヨマルを殺そうとする。もう誰も信じられない。むしろ一般人よりも、訓練を受けていて、殺す道具を持っている人間の方が危ない。
キヨマルのクズ列伝は挙げればキリがないんだけど、例えば自分が福岡から東京へ移送されると聞かされ、
「あなたたち、殺されかけたことありますか!?僕なんてもう2度も殺されかけてるんですよ!」
とか言ってのける。おいおい、あんたその前に2度も人殺してるよ。
どうやらキヨマルは大人が嫌いらしく、子供にしか興味がないっぽい。ちょっとでも大人に触られるとものすごく激高する。白岩に向かって「おばさん、臭い」とか言っちゃう。おぉい!松嶋菜々子がおばさんとか臭いとか、ひどい(笑)。でも確かに、顔はすごく老けて見えたんだよね、菜々子ねえさん。クマはひどいしほうれい線もバッチリ。あれはそういうメイクなのか、はたまたノーメイクなのか・・・。後者だったらイヤだな。
新幹線での輸送シーンがありますが、これは台湾で撮られたんだそうです。日本初の台湾新幹線を使った撮影だったとか。
1ヶ所だけ、どうしても納得行かないシーンがあって。
ちょっとここだけネタバレしますが、
山道で移送班が車をヒッチハイク(っていうか強奪)する場面。たまたま通りがかっただけのはずなのに、運転してたのがキヨマルが最初に殺した女の子の父親。んー、これって偶然じゃないとしたら、・・・ってことだよな。不可能ではないけれども。
あと、なんでタイトルが「藁の楯 わらのたて」なんだろう。「藁の楯」だけでいいと思うんだけど。キヨマルを守っているものが「藁の楯」だとしたら、SPの存在意義なんてない。例え犯罪者でも、警護対象者は自分の身を持って守らなければならないなんて、因果な仕事だよなぁ。
全体的にハラハラドキドキ、「そして誰もいなくなった」的な要素も楽しめます。
あぁそうだ。これだけは言っておかないと。この映画を撮ったのは、あのハスミンが撃って撃って殺しまくる「悪の教典」の三池崇史監督です。あれほど残虐なシーンはないけど。
あなたなら、10億円で人を殺しますか?
ということで、☆3.5。
ラストシーンで、スクリーンに向かってものを投げつけたくなります。