夕凪の街 桜の国

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最近は洋画ばっかり観てましたが、今日は久々に邦画を観てきました。

夕凪の街 桜の国


この時期特有の戦争映画です。

「夕凪の街」と「桜の国」の2本立てという感じですが、「夕凪の街」は昭和33年の広島が舞台で、「桜の国」は現代の東京が舞台。皆実(麻生久美子)が原爆で亡くなり、その姪の七波(田中麗奈)が父を追って広島へ行く、というつながりのある物語。

あらすじ(ネタバレあり)

<<夕凪の街>>

昭和33年、広島。被爆した皆実(麻生久美子)は母(藤村志保)と二人で暮らしながら会社で働いている。父と妹は原爆によってすでに他界している。5歳のときに水戸に疎開させた旭(伊嵜充則)という弟がいて、終戦から7年後に迎えに行ったが旭は水戸で養子になることを希望する。

夕凪の街
会社には内越(吉沢悠)という青年がいて、皆実とはお互い惹かれあっているが、皆実は自分が被爆者であるため、恋に積極的になれずにいた。皆実は内越に自分が被爆者であることを伝える。なぜ自分は生き残ってしまったんだろうと自分を責める皆実に内越は言う。

「生きとってくれて、ありがとうな」

その言葉を聞き、皆実は涙する。

夕凪の街
そんな皆実の体を、被爆から13年経った今、放射能が蝕んでいく。弟の旭も水戸から夏休みを利用して広島に帰ってくる。そんな弟が持ってきた土産ののし梅も、もう皆実の喉を通らない。こみ上げてくるのは、壊れた内臓の破片だけだった。

夕凪の街
皆実は父が買ってくれたかんざしを母に託し、この世を去る。

「なあ、嬉しい?原爆を落とした人は私を見て『やった!またひとり殺せた』ってちゃんと思うてくれとる?」

死に際に皆実が思ったことはそんなことだった。

<<桜の街>>

平成19年、東京。
七波(田中麗奈)の父、旭(堺正章)は最近行動がおかしい。夜中に一人でちょくちょく出かけていく。気になった七波は尾行してみることに。駅前で偶然会った幼な馴染の東子(中越典子)とともに、父が乗り込んだ夜行バスで広島に向かうことになる。

桜の国
今年は皆実の50回忌。父はかつて姉の皆実と交流があった人たちを訪ね歩いているのだった。会社で働いていた同僚たち、そして内越(田山涼成)。彼らはまだ健在だった。

桜の国
父、旭は、高校卒業後広島の大学を受験し、広島に帰っていたときに知り合った被爆女性と結婚したが、その妻も早くに亡くし、また母もすでに亡くなっていた。自分は被爆2世であることを実感する七波。そして東子は七波の弟、凪生との交際を両親から反対されていたのだった。

東京に戻り、実は尾行していたことが父にばれていたと知る。そんな七波に父は「おまえは皆実姉さんに少し似ている。おまえが幸せにならんとな」とやさしく話しかけるのだった。

桜の国
めずらしくあらすじ書いてみましたが、もう涙が止まりませんでした。戦争映画だし、もっと反戦的なものかと思ってたけどそうではなく、「なぜ自分が生き残ってしまったのか」と悩む皆実の気持ちが切なすぎて、泣けて泣けてしょうがなかった。髪の毛が抜けて自分がもう長くないとわかった時、父親に買ってもらったかんざしを母に託し、それが旭の奥さんのものになってさらに七波へと受け継がれる。それが象徴的だった。

広島、行かなきゃなぁ・・・。行ったことないもんなぁ・・・。当たった旅行券で行ってこようかなぁ・・・。

純粋に泣きたい人にはオススメ。戦争って、絶対に起こってはならないし、起こしてもいけない。いったい人と人が殺しあって、何の解決になるの?

「なんで広島だったんだろう。なんで広島にピカが落ちたんだろう」
「落ちたんじゃない。落とされたのよ」

皆実のセリフが切なかった。

ぜひ劇場へ。★5つ。

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