42~世界を変えた男~

スポンサーリンク

42~世界を変えた男~
42~世界を変えた男~

あらすじ

1947年。ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、黒人青年ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)と契約、彼をメジャーリーグ史上初の黒人メジャーリーガーとして迎える。だが、白人以外には門戸を開かなかったメジャーリーグにとって彼の存在は異端なものでしかなく、チームの選手たちはもちろん、マスコミや民衆からも糾弾される。そんな状況ながらも、背番号42を誇るようにプレーするジャッキーの姿は次第に人々の気持ちを変えていく。

42~世界を変えた男~

黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの伝記ドラマ。実話です。

今現在、アメリカでは全球団でジャッキー・ロビンソンがつけていた背番号42は永久欠番になっています。メジャーリーグだけでなく、独立リーグやアマチュアリーグでも。また毎年4月15日を「ジャッキー・ロビンソン・デー」としていて、2009年のジャッキー・ロビンソン・デーでは全ての選手、コーチ、監督、審判が42番のユニフォームを着て試合に出場したそうです。

42~世界を変えた男~

白人社会の中に、黒人が一人で飛び込んでいくことは想像を絶する勇気と決断が必要だったと思います。劇中にも出てきますが、当時黒人は「ニグロ(ニガー)」と呼ばれ、相手球団の監督にもその言葉で罵倒されます。言い返したい。殴ってやりたい。だけどそれをやってしまったら試合どころか野球人生そのものが終わってしまう。ジャッキーの心の葛藤は、いくら映像化されたとしても本人しか知り得ないこと。わたしたちが迂闊に「共感できる」とか口走れるものでは決してないはずです。

ブランチ・リッキーは、ジャッキーと契約を結ぶ時に彼にこう言います。

「君はこれまで誰もやっていなかった困難な戦いを始めなければならない。その戦いに勝つには、君は偉大なプレーヤーであるばかりか、立派な紳士でなければならない。仕返しをしない勇気を持つんだ」

仕返しをすることは簡単。言い返したり、殴り返したりすればいい。相手は怖い人間かもしれないから、ほんのちょっと勇気がいるかもしれない。だけど「仕返しをしない勇気」はその何倍も力強い精神力がなければ持てないもの。ジャッキーがその精神を守り抜いたからこそ、今日メジャーリーグで活躍する黒人選手の姿があるのだと思います。

ただ、この映画ではその辺がサラリと描かれすぎているような気がしました。もちろん彼の野球人生をたった2時間に収めることなんて到底不可能であることは百も承知。だけど、もっといろんなことあったでしょう。何度も壁にぶつかっただろうし、死にたくなることもあったかもしれない。でもこの中では案外あっさりと困難を抜けたように見えてしまうのがなんとも残念でした。

とはいえ、話のメインはブランチ・リッキーにスカウトされてから、メジャーリーグで認知されるまでの2年間。本格的に活躍するようになってからのジャッキーは、押しも押されぬ大スターだったはずです(わたしは知らないけど)。自分が好きなことを信念を持って続けていれば、いつか光が照らしてくれる瞬間が訪れる。そこを伝えたいのであれば、もうちょっとスターになったあとの部分も描いて欲しかったなと思います。(エンドロールで登場人物のその後、みたいなのはちょろっと流れます)

ブランチ・リッキーを演じるハリソン・フォードは、特殊メイクで誰が誰だかわからなくなっています。キャスティングに当たり、監督の元へ、脚本を送った覚えがないハリソンから連絡があったそうです。「ぜひブランチ・リッキーを演じたい」と。監督は断るつもりで彼に会いに行きました。なぜなら画面にハリソン・フォードが現れた瞬間、観客はその人を「ハリソン・フォード」として認識してしまうから。しかし実際会ってみたハリソンは、いかに自分のブランドを消してこの役を演じるか熱弁を振るったそうです。あの特殊メイクもハリソンから申し出たことだったらしい。どれほどこの役に熱を入れていたかがわかります。

42~世界を変えた男~

人種を超えて初めて何かを成し遂げることは、ものすごく偉大なことだと思う。だけどその前に、肌の色が違うだけで差別があるような世界がおかしいと思うの。昔に比べたらその境界線はだいぶ薄くなったかもしれないけど、まだまだ根深くはびこっているはず。「こんな話があったなんて信じられない」って世界中の人が思える世の中にならなきゃダメだと思う。

ということで、☆4つ。
野球のルール知らなくてもまったく問題ないです。ファーストが何するところかわかっていれば。

にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


FXを学ぶ