<吹替>アナと雪の女王(2回目)

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2回目アナ雪は吹替え版にて。もうネタバレしてもいい頃でしょうか。

公開当初は3D字幕版、2D字幕版と2D吹替え版しかなく、「なんで3D吹替え版がないんだ!」と声高に叫んでおりましたら、そういう叫び声があちこちで上がったらしく、ただいま3D吹替え版も絶賛上映中です。なんで最初から作らなかったんだろ。とはいえ都内での上映は昼間のみで、 仕事帰りに行くのが絶望的なのでまだ観ていません。もうちょっとしたらスケジュールも変わってくると思うんだけどな・・・。

この映画の原題は【FROZEN】。『塔の上のラプンツェル』は【Tangled】だし、『カールじいさんの空飛ぶ家』に至ってはなんと【UP】です。ディズニーアニメのタイトルって、そのままじゃとても日本語タイトルにならないようなものばかり。あえてそうしているのは男性客も呼び込むためだとかなんとか。

前回のレビューでも書きましたが、わたしは字幕版よりも吹替え版をオススメいたします。なにもアナ雪に限ったことではなく、ディズニーアニメ全般において吹替え推奨派です。なぜなら、ディズニーはジ○リとは違ってド素人を声優に起用するなんてことは絶対にしないし、何度もオーディションしています。セリフをしゃべりながらそのまま歌に入っていくシーンがあるので、演技ができてなおかつ歌が歌える人じゃなくちゃならない。そう考えると、主役の2人は松たか子さんと神田沙也加ちゃん以外の選択肢はなかったそうです。そしてアナやエルサを吹替えている人の声は、どこの国もなんとなく似ているのです。

松さん、確かにうまいよ。演技もできるしミュージカルもやってるし。だけどこの曲の後半にいくにつれ、ものすごく力入っちゃってるのが聞いてて苦しくなってくるのです。ほかの国の人たちはさらりと歌っているような気がするのに。あと、いつも楽しそうな顔して歌わないよね、この人。デビューの頃からずっと。そう考えると、25ヶ国語バージョンのサビで日本語が使われたのは、後に映像を合わせたことも含め、ここしか使えなかったんじゃないかとすら勘ぐってしまうのです。

それは置いといて、この曲の素晴らしさはその日本語訳にもあると思います。きちんと意味を押さえながら、なおかつ画面の口の動きと合わせた言葉を当てていかなければならない。だからサビの”Let It Go, Let It Go”は「ありのままの」じゃないとダメなんです。”Go”と「の」の口の形が同じだから。最後の方になると「これでいいの」になってるんだけどね。

ただ、やっぱり日本語訳の歌詞だけでは、この歌の全部の意味を理解することはできません。字幕もしかり。エルサはもっともっと葛藤してるんです。なので、自分で翻訳してみました(これに時間かかったんだ)。

この曲に至るまでの経緯をざっと説明しますと、

アレンデール国にはエルサとアナという2人の王女がいた。エルサ8歳、アナ5歳の時、エルサが持つ氷の魔法で遊んでいたところそれがアナの頭に当たってしまった。トロールの力で怪我は治してもらったものの、アナが持つエルサの魔法に関する記憶は一切消されてしまう。国王夫妻は大きくなっていくエルサの力をコントロールするため、城の全ての門を閉ざし、使用人を減らし、アナにすら会わせないようにしてエルサを幽閉した。9年後、国王夫妻が海難事故で他界。葬儀の場にも現れないエルサ。さらに3年後、20歳になったエルサは女王になり、戴冠式の場で久しぶりにアナと対面する。その夜のパーティーでサザンアイルズ国のハンス王子と出会ったアナは、勢いで彼と結婚するとエルサに報告。それを受け入れられないエルサの魔法の力が爆発し、国中を氷に閉ざしてしまった。制御を失ったエルサはこれ以上誰も傷つけまいと、ひとりノースマウンテンの山頂を目指し歩いていく。

“Let It Go”
山の雪は白く輝いて
今夜はどんな足跡すらも残さない
まるで孤立した王国のよう
そして私はその国の女王みたい
風は渦巻く嵐のようにうなり声を上げた
私はそれを抑えることはできなかった
でも神様は私がそうしようとしたことを知っているわ
誰も入れてはだめ 誰にも見られてはだめ
「あなたはいつもいい子でいなければいけないのよ」って言われてた
誰にも知られてはだめ 感情は隠しなさいって
誰にも知られてはいけなかったのに
今はもう知られてしまった・・・!
私にもうかまわないで
これ以上秘密にすることはできないのだから
一人にしておいて
全てに背を向け扉を閉ざすわ
みんながなんと言おうともかまわない
嵐よ もっと強く吹き付けるがいい
もう寒さなんて全然気にならないもの
遠く離れると いろんなものが
こんなに小さく見えるなんて
私を支配していた恐れだって
もう届かない場所まで来てしまった

私に何ができるか どこまでできるのか試す時が来たのよ
何が正しくて何が間違っているか 何を守るべきかなんて関係ない
だって私は自由だから!
このまま私は風と空の一部になるの
ええ そうよ もう泣いたりなんかしない
私はここに立っている
ここが私が生きて行く場所
嵐よ もっと強く吹き付けるがいい私の力が風を通して大地を揺るがしていく
私の心は雪の結晶の中に渦巻いていく
そして私の想いも吹雪のような結晶になる
もう決して後戻りしない
だって過去は過去だもの!

これでいいの
そして私は夜明けのように目覚めるの
ありのままでいいの
もういい子でいる必要なんてない
なにもかもさらけ出して 私はここに立っている

嵐よ もっと強く吹き付けるがいい
もう寒さなんて全然気にならないもの

開き直ってんですよね、エルサ。「私の力が風を通して~」あたりからエルサが覚醒し、とんでもない氷の城を建て始めます。なぜか衣装も変わり、ケバいメイクまで施される。そりゃ10年以上も閉じ込められて、溜まりに溜まったパワーが全開になるわけだから色々すさまじいわけです。もういいんだもん、ほっといてよ、私は私でここで勝手に生きていくんだから、みたいな感じ。その前に凍った国をどうにかしてちょうだい、とアナは思ってるわけです。

で、この曲ばっかりが注目されていますけど、わたしはとにかく神田沙也加ちゃんがすごいと思っています。彼女が出たミュージカルを3回くらい観に行ったことがあって、その時ミュージカル映えする歌い方だなーって思ったんです。歌手としては泣かず飛ばずだったけど、もっと気持ちのこもった、いわば大げさな歌い方ができる子だったんだって、びっくり。親の七光りではなく、ちゃんと実力を持ったシンガーです。好きなシーンは「生まれてはじめて」の「チョコ食べちゃう~♪ んぐっ」と、スキップしながら歌ってるところ。

雪だるまのオラフ役のピエール瀧さんも最高。実はオラフのセリフって、字幕版で声を当てている人が周りのスタッフを笑わせようとほぼアドリブでしゃべったものがそのまま使われているんです。でもピエールさんの方が面白さが増してると思う。あまりミュージカルっぽい歌い方は慣れていないのかもしれないけど。

ここまでいろいろ書いてきましたが、わたし歌のことしか触れてないんですよね。物語のどのシーンがいいとか、そういうのってあんまり印象に残ってないんです。

この映画を観た伊集院光氏がこんなことを言ってました。

「みんなこの映画を「素晴らしい」と言っているが、物語の内容が素晴らしいと言うのを聞いたことがない。毒にも薬にもならない映画。家族で観に行くなら断然『クレヨンしんちゃん』をお勧めする。」

確かに、言い得て妙だと思います。わたしはどうしても『塔の上のラプンツェル』と比べたくなってしまうのですが、例えばラプンツェルのダムの決壊シーンで思わず息を飲んでしまったりだとか、空に浮かび上がる無数のランタンを見て自然と涙がこぼれたりだとか、そういう圧倒的な映像美ってアナ雪にはなかったように思うのです。「あのシーンよかったよねえ!」って、まあ言おうと思えば言えるけど、程度の感じ。

さて、この映画はいったいどこがいいのでしょうか。歌以外に。誰か教えて。(こんな長いもの書いておいてそんなこと言うなんて・・・・)

興行収入も100億円を超えて、天井知らずでぐんぐん伸びています。日本は世界で一番遅く公開された国なので、これからどれだけ稼ぐかは日本次第なのです。この映画、米国を除く全世界の興行収入の50%が日本で上がってるんだって。ラプンツェルが振るわなかったの、絶対日本のせい。公開日が東日本大震災の次の日だったから。

前にも書いたけど、この映画にはヴィランズ(悪役)がいません。でも製作段階では、エルサはヴィランズになる予定だったんだそうです。脚本を書き進めるに連れ、悪役ともなんともどっちつかずなキャラクターに仕上がっていったとか(笑)。

映画の序盤にチラッとラプンツェル&ユージーンが映ったり、国王夫妻が乗っていた船は「リトル・マーメイド」の沈没船だとか、いろんな小ネタがちりばめられているのもこの映画の特徴です。探し出すのも面白いかも。(ちなみにオーケンの山小屋には隠れミッキーがいるらしい)

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