駆込み女と駆出し男

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駆込み女と駆出し男
『駆込み女と駆出し男』

あらすじ

江戸時代、幕府公認の縁切寺として名高い尼寺の東慶寺には、複雑な事情を抱えた女たちが離縁を求め駆け込んできた。女たちの聞き取り調査を行う御用宿・柏屋に居候する戯作者志望の医者見習い・信次郎(大泉洋)は、さまざまなトラブルに巻き込まれながらも男女のもめ事を解決に向けて導き、訳あり女たちの人生の再出発を後押ししていくが…。

駆込み女と駆出し男

まだまだ女性の地位が低かった江戸時代、とてもじゃないけど女性から離婚など切り出すことはできませんでした。でもやっぱり耐えられない結婚生活っていうのはあるわけで、どうにもこうにも耐えられなくなった女性たちが逃げ場を求めて駆け込んだのが「東慶寺」でした。ここで2年間お勤めを果たせば、晴れて旦那から離縁状をもらうことができるのです。

話は浮気夫との結婚が耐えられなくなった鉄練りのじょご(戸田恵梨香)と、商売を営む裕福な男の妾であるお吟(満島ひかり)を中心に進んでいきます。

駆込み女と駆出し男

お互い東慶寺を目指して夜道を進んでいた時にばったりと遭い、足を怪我していたお吟を連れてじょごは駆込もうとするのですが、その時なぜか後を追いかけてきたのが信次郎。てっきり追手だと思って、二人は寺に下駄を投げ込んで駆け込みを成就させます。

信次郎はこの寺に駆込んでくる女性の取りまとめみたいなのをやっている三代目柏屋源兵衛(樹木希林)の甥っ子で、しばらくそこで居候することになっていました。若干医学の知識があるので、お吟の具合を見たり鉄で焼けただれたじょごの顔の手当てをしたりします。

駆込み女と駆出し男

身元確認が済んだら東慶寺へと入り、2年間外部との連絡を一切絶ち、質素な暮らしをしていくことになります。

じょごが駆込んだ理由はすごくよくわかる。目の前で旦那がほかの女といちゃこらしてるのを見せつけられて、でも鉄練りの技術は自分の方が上だから旦那は絶対に手放してくれない。もう駆込むしかないわけです。

一方お吟は妾とはいえ、いい暮らしをさせてもらってるし商売の切り盛りも任されている。駆込む理由が見当たらないんだよね。表向きはもう嫌気がさしたみたいなことを言ってたけれど。

終盤になるにつれ、お吟が駆込んだ本当の理由がわかります。ああ、それも切ないよね、好きな人の前ではいつまでも美しくいたいと思うのが女性だよね、って共感できる。

この映画を撮ったのは『わが母の記』の原田眞人監督。『ラストサムライ』でかなり重要な役で役者デビューもしている人です。その監督が『ラストサムライ』のロケでとあるお寺を訪れた時、その情景があまりにも素晴らしくて「いつか自分が撮る映画でも使いたい」と思ったそうです。その願いがこの作品の中で叶っています。大勢の女性たちが寺の廊下に並ぶ中、カメラがじょごを探してそこにピントが合うシーンがすごく印象的でした。

わたしは大泉洋が出ている映画にはどうしても笑いを期待してしまうのですが、この作品もコメディとまではいかないものの笑わせてくれる場面があります。なんかひょうひょうとしてていいんだよね。最初の方、江戸っ子のセリフ回しが早口で何言ってるのかわかんない部分はあったけど。

ということで、★★★★/5
最近の邦画ではお気に入りです。

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