先日イベントでもらった鑑賞券があったので、「マイケル･ジャクソン キング･オブ･ポップの素顔」を観てきました。
いやー、上映館が少ない。
『マイケル･ジャクソン キング･オブ･ポップの素顔』
あらすじ
2009年6月25日、マイケル・ジャクソンは突然この世を去り、世界中のファンを奈落の底に突き落とした。彼のかつてのマネージャーはその死を悼む気持ちから、プライベート・フィルムを公開することを決める。そこには大スターのマイケルではなく、普通に友人たちと誕生日を祝ったりする彼の素顔があった。
2009年に急逝したマイケル・ジャクソンの一周忌の追悼の意味を込めた、プライベート映像を中心としたドキュメンタリー作品。
元マネージャーのマーク・シャフェルが10年にわたって撮り続けた、これまであまり公にされなかったマイケルの知られざる私生活を映し出す。
『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』の世界的大ヒットで、死後もその実力を見せつけた彼の素顔をとらえた映像は貴重。
公の場では決して見ることのできないマイケルがそこにいる。
という、映画というよりはテレビの2時間特番でやるような内容です。
某レビュー掲示板ではボロクソに叩かれていた。
どうやらMJは、素の自分を知ってもらいたくてプライベートでピンマイクをつけることを了承し、それを撮影したらしい。
だからストーリーなんてないし、歌って踊るマイケル･ジャクソンが好きな人にはつまんないかもしれない。
でもわたし的には面白いところもあったので、マイケル語録と共にご紹介。
おおまかにわけて、30年ぶりの故郷インディアナ州ゲーリーへの凱旋、ネバーランドでのチャリティ、45回目のバースデイの3部構成。
まず、警察に先導されながらでかいリムジンでゲーリー市役所に向かうマイケルさん。
その車中にて、まわりを取り囲んだファンを見て。
「今かわいい子がいたね。あの胸を見た？ユッサユッサ揺れてたよ」
発言が完全におっさんです、マイケルさん。
まさか彼の口からこんなせりふを聞くなんて（爆笑）。
ゲーリー市役所のトイレから出てきて。
「聞こえちゃった？」
ピンマイクつけっぱなしでトイレに入っちゃった、スーパースター・マイケルさん。
んもうっ、おちゃめ（失笑）。
途中ケンタッキーに寄ってチキンを買い、追っかけてきたファンたちに振舞うマイケルさん。
招待されてリムジンに乗車しているファンが暴走し始め、でも決してそれを足蹴にしないマイケルさん。
あのファンの男、いったいなんなんだ。自分が作ったダンスをMJに踊らせて、有名にしようとしてる。
「カリフォルニアは嫌いなんだ。でもネバーランドは別だよ」
「『The Way You Make Me Feel』はスローで始まる方がいいんだ」
ショッピングモールに行けば、その店を一時閉店させないとお買い物ができないマイケルさん。
「いろんな国に行ったけど、どこへ行ってもホテルから1歩も出られなかった。ファンに囲まれちゃうからね」
子供の頃からずーっとそう。プライベートなんてないも同然。
それが40年間、ずっと。
普通の人間だったら、精神的に参ってしまうはず。いや、参っていたのかも。
このセリフを聞いた後、「Human Nature」の歌詞の意味が重く感じられた（本人が作った曲じゃないけど）。
どこかの施設で、スタッフになぜか小声で「ボールにサインして」と頼まれたとき。
「え？ボール？・・・・あっ、この（野球）ボールね！なんか・・・言い方が・・・（笑）」
あなた、なにを考えたんですか。けっこう下ネタもイケます、マイケルさん。
ふっ。
全然知らなかったけど、完全無料のチャリティイベントが頻繁に行われていたらしい。
フードもドリンクもゲームも、全部タダ。もちろんMJのトリート（のはず）。
招かれるのは子供だけじゃなく、大人もたくさんいた。
「彼のことをおかしく言う奴もいるけど、ここに来てみたらそれがなんて馬鹿馬鹿しいかってことに気づくさ」
「あなたのおかげで、私は生きる意味を見つけたのよ。本当にありがとう」
みんな大絶賛。悪く言う人なんて一人もいない。でも、それが逆に違和感。
行ってみたいなぁ、旧ネバーランド。
敷地面積は2万6000エーカー(千代田区とほぼ同等)。
世界中から集まったファンが、どっかの会場でマイケルさんのお誕生日（の翌日）をお祝い。
そこへご本人登場で、会場はさらにヒートアップ。
用意された巨大バースデイケーキを目の前にして。
「僕、ケーキの切り方がわからないんだ。本当にわからないんだよ」
なぜか側近と一緒にケーキ入刀。
この側近、ずっと顔がモザイクで隠されていた。
もしや、あの本書いちゃったアイツか？
そしてケーキを手でちぎってファンに分けるマイケルさん。
いや、それもらっても・・・・・。
さらにネバーランドでもセレモニー。
「イスラエルも行ったよ。いいところだった。」
（たぶんイスラエルと言ったと思います。違うかも）
するとファンから突然バシール批判のシュプレヒコール。
「（彼らはなんて言ってるの？と側近に問い、）あぁ、バシール！彼は最低だ。契約を全部裏切ったんだから」
と痛烈に批判。盛り上がるファン。あの番組の責任をどう取ってくれよう（いや、わからない）。
再び登場した巨大ケーキをちぎって、Back Street Boysのニックの顔面にヒットさせるマイケルさん。
それに応酬して、ニックががばっとケーキをつかんで、マイケルさんの顔面に塗ったくる。
この瞬間、
「あぁっ、鼻っ！！！！！！」
と思ったのは、わたしだけではあるまい。
とまぁ、脈絡のない映画なのですが・・・。
この2時間で、彼はいったい何回「I LOVE YOU.」と言っただろう。
ファンが「I LOVE YOU.」と言えば、「I LOVE YOU MORE.」と答える。
愛で地球が救えるのかわたしにはわからないけど、毎年そんな番組があるんだから、いつかは救えるのかもしれない。
パフォーマンスをする時は、オーディエンスは多ければ多いほどいいというマイケルさん。
でも、一人の人と面と向かって話すのは大の苦手で、ものすっごい隅っこの方にモジモジしながら立って話す。
「歌ってる時と、普段の時はまるで違うんだ。恥ずかしいんだよ」
はぁぁ。フレンドリーで謙虚。だからこそ愛されるマイケルさん。
決して驕り高ぶったりしない。
ちょっとだけ、素顔のマイケルさんを見られたような気がします。ちょっとだけね。
ま、人間誰しもプライベートなんてさらしたくないし、
有名人だからってさらさなきゃいけないなんてこともないし。
ただ、題名に「素顔」って入れるほどでもなかったのでは・・・？
わたしだって、タダ券がなかったら観に行かなかったかも（途中ちょっと寝ちゃったし）。
でも、酷評している人たちは、いったい何を期待して観に行ったのだろう。
