『ふたつの名前を持つ少年』
あらすじ
1942年、ポーランドのワルシャワ・ゲットー。8歳の少年スルリックは、父親の“絶対に生きろ”という言葉を胸に、たった一人で脱走する。ユダヤ人だと気づかれないようポーランド系のユレクを名乗り、森の中で出会った孤児グループと行動をともにする。しかしドイツ軍に追われて再び一人になると、ついには飢えと寒さで行き倒れてしまう。危うく命を落としかけたところを、ひとり暮らしのヤンチック夫人に救われるユレク。夫人は一人でも生き延びられるよう、ユレクにポーランド人孤児としての架空の身の上話とキリスト教の作法を教え込む。夫人のもとを離れ、農村を回りながら寝床と食べ物を求めるスルリック。やがて心優しい一家と出会って安息を得るが、ユダヤ人であることがばれてしまう。
実話を基にした映画です。この子はきっと運がいい方で、もっとつらい目にあった子供はたくさんいると思う。
生き延びるためには名前を捨て、信じてもいない宗教を信じているフリをする。食べ物を盗むのは当たり前、だって盗まないと食べられないんだもの。
そんな中でも助けてくれる優しい人はいる。でもその優しさがあだとなって、今度はその人がひどい目にあったりもしちゃう。
ただ「ユダヤ人」であるというだけでどうしてここまでひどい仕打ちを受けなければならないのか。当人たちが直接悪いことをしたわけでもなく、ただそういう民族だからっていうだけで虐げられるなんて、本当に理解できない。リチャード・ギアの『ハンティング・パーティ』の民族浄化作戦とかもそうだけどさ、浄化って、あんた神様にでもなったつもりなわけ?(『ハンティング・パーティ』は面白い映画なのでぜひ観てください)。
主役のスルリック(別名ユレク)を演じたのは双子の男の子だと知ったのは鑑賞した後でした。もちろんどっちがどっちかなんて区別つかないし、全然違和感はないです。特に2人で演じ分けなきゃいけないほど大変な役でもなさそうなんだけど、たぶん労働基準なんちゃらで1人の子供が働ける時間が決まってるのかな、とか思ってみたり。
最後の最後で、おじいちゃんになったスルリックご本人が登場します。あれは別にいらなかったんじゃないの(笑)。
ということで、/5
もっと歴史を知らなくてはいけないな、と、この手の映画を観るといつも思います(思うだけ)。