『グレイテスト・ショーマン』
あらすじ
19世紀半ばのアメリカ。貧しい少年時代を過ごしたP・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、幼なじみのお嬢様チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)との身分違いの恋を実らせ結婚する。そして愛する家族のために成功を追い求め、挑戦と失敗を繰り返した末、ついに前代未聞のショーをつくりあげ、大衆の心を掴むことに成功する。しかし、そのあまりにも型破りなショーに上流階級の人々は眉をひそめるばかり。そこで英国で成功を収めた上流階級出身の若き興行師フィリップ(ザック・エフロン)を口説き、パートナーとして迎えるバーナムだったが…。
世間的には高評価な映画、ですが…。
実在したP・T・バーナムという興行師のお話。だいぶ脚色はされています。バーナムの幼少期からチャリティと結婚するまでをミュージカル仕立てで一気にバーッと見せる演出には惹きこまれました。が、その後はなんだか「あれ?この話どっかで見たような…」っていう既視感にさいなまれました。
というのも、わたしの大好きな『SING/シング』っていう映画にそっくりなんですよ。あっちはアニメでコアラが主人公だけど、そのコアラがまさにバーナム。無茶な興業で話題を集めるももの、それがたたってだんだんと団員たちの心が離れて行って、しまいには小屋が火事になるっていう(SINGでは巨大水槽がぶっ壊れて水害に遭う)、もうそっくりそのまま話おんなじじゃん、って途中からすっごい冷めた目で観てました。でも、『SING』の主人公もバーナムをモデルにして描かれたっていう話をチラッとどっかで聞きかじったような気もしていて、同じ人物をモデルにしてるなら話が似通っていても仕方ないのかなと。
このバーナムって人、調べてみるとけっこうひどい人で。小人症とか多毛症とか結合双生児とかアルビノとか、いわゆる「ちょっと変わった人」を国中から集めてきて、それを見世物にして金を稼ぐっていう今の時代なら絶対に問題になりそうな金儲けをしてたみたい。そこから大スターになって巨万の富を得た人もいるにはいるんだけどね。あと、動物園からジャンボっていう名前のゾウを買い取ってショーに出してたんだけど、それが今の「Jumbo」の語源になったらしい。かわいそうなことにゾウのジャンボは興業列車で移動中に駅構内で列車に追突されて死んでしまったんだとか。
わたし的な収穫としては、久しぶりにザック・エフロンの歌って踊る姿を見られたことですね。『ハイスクール・ミュージカル』っていう映画の中で青いお目目でキラッキラしてたザックも、ここ最近は妙にマッチョになっちゃって(笑)。でもわたしの中では永遠の高校生です。
劇中歌の“This is Me”もかっこよかった。特に髭女のレティ・ルッツがいいんですよねー。この曲は確かアカデミー賞でもパフォーマンスされたんじゃなかったかな。
まあでも、わたしにはあまり響く映画ではなかったっていうのが正直な感想ですね。『SING』よりも先に公開されていたらまた別の感想だったかもしれないけど。
ということで、
ヒュー・ジャックマンの歌は相変わらず素敵ですが、やっぱり『レ・ミゼラブル』は超えられないわ。