サガン -悲しみよ こんにちは-

スポンサーリンク

「サガン ‐悲しみよ こんにちは‐」の試写に行ってきました。
フランソワーズ・サガンというフランス人女性作家の、波乱万丈人生物語。

以下、ネタバレあり。

とその前に、

フランソワーズ・サガンとは・・・

1935年、フランス生まれ。父は裕福な工場経営者。
18歳の時の作家デビュー作「悲しみよこんにちは」は22カ国で翻訳され、印税5億フラン(約364億円)を稼いだ。
サルトル、ゲンズブール、カポーティ、カトリーヌ・ドヌーブ、ブリジット・バルドーらとの華麗な交友関係など、スキャンダラスな私生活が常に注目の的となる。
一方で、次々と小説を発表し、映画監督や戯曲の執筆など活動を広げ、生涯書くことにこだわった。
56年に映画化された「悲しみよこんにちは」は、当時熱狂的に迎え入れられ、主人公セシルの髪型がセシルカットとして大ブームを起こすほどであった。
ヒョウ柄とパールをこよなく愛し、日本人が抱くフランス人のイメージはサガンによるともいわれている。
2004年に死去した際にはシラク大統領(当時)はじめ、多くの献辞が贈られた。
その作品は今も全世界で愛されている。

9歳から13歳まで通った女学院を退学処分となり、コンコルド広場やセーヌ左岸でプルーストを読み耽っていた。
その後、カトリック系の学校に通うが、神を信じていないと公言し、3ヶ月で放校処分に。

「悲しみよこんにちは」の印税で買ったもの

ヒョウのコート。ミンク以上に高価で当時800万~1000万円。
その他モロモロ。

サガン -悲しみよ こんにちは-
『サガン ‐悲しみよ こんにちは‐』

あらすじ

1954年、18歳のフランソワーズ(シルヴィー・テステュー)は、処女作「悲しみよ こんにちは」をひと夏で書き上げる。
ペンネームのフランソワーズ・サガンとして出版された小説はベストセラーとなり、一躍時代の寵児となった。
やがて彼女はダンサーのジャック(ピエール・パルマード)らとともに道楽ざんまいの日々を送るようになり…。

サガン -悲しみよ こんにちは-

1954年、18歳のフランソワーズ・コワレーズは、“サガン”のペンネームで『悲しみよ こんにちは』を出版。
小説は賛否両論を巻き起こしながらもベストセラーとなり、批評家賞を受賞する。
サガンは生涯の友となる作家のベルナール・フランクとダンサーのジャック・シャゾと出会い、
学生時代からの親友フロランス・マルローを加えた4人で、夜ごとパーティに繰り出すようになる。

 サガン -悲しみよ こんにちは-

ドーヴィルでバカンスを送っていたサガンはカジノで800万フランを稼ぎ、借りていた別荘を衝動買いする。
800万フランって、たぶん5億円くらいですよ。それだけカジノで稼ぐってのもすごいけど。
勝っても負けても、桁外れの金額だったギャンブル。
18歳にして莫大な印税を手に入れたら、そりゃ人生もおかしくなるというもの。
例えばサガンがものすごく貧乏なおうちに生まれて、やっとのことで書き上げた小説だったならば、きっとこのお金のありがたみももっと身にしみたはず。
しかし、なまじ金持ちの家に生まれてサラッと書いた小説が大当たりしたもんだからタチが悪い。
父親も「若いうちに稼いだ金は全部使ってしまえ」みたいなことを言うんだからすごいよね。

本の宣伝のために訪れていたニューヨークで、サガン編集者のギイ・シュレールと恋に落ちる。
第2作『ある微笑』も、批判されながらもベストセラーとなり、サガンは有り余る金を放埓な遊びに注ぎ込む。
サガンは3作目を執筆するため、取り巻きと別荘に滞在し、そこで兄に作品を酷評され傷ついた彼女は、車のスピードを出しすぎて事故を起こす。

一度は生死をさまよいつつも奇跡的に回復するが、治療用に使われたモルヒネへの依存に苦しめられる。

数ヶ月の入院を経てサガンはギイと結婚するが、すれ違いの末、ギイは若い愛人をつくり、2人は離婚。
今度はアメリカ人アーティストのボブ・ウェストホフと恋に落ち、妊娠を機に結婚する。
息子ドニを生むが、この結婚も長くは続かなかった。

というか、フランス人が子供ができたから結婚するって、珍しいケースだと思うんだよね。
子供がいて同居はしてるけど結婚してないカップルって、いっぱいいるから。
結局サガンも、家族が欲しかったんじゃないかな、と思う。

サガンは、旧友ペギー・ロッシュと再会する。ペギーは元モデルのスタイリストで、「エル」誌編集長を務めた人。
2人は意気投合し、同居を始める。

サガン -悲しみよ こんにちは-

取り巻きたちの生活も支えるサガンは莫大な金額の税金を滞納し、破産寸前の事態に陥る。
競走馬への投資でその場を凌ぐが、不本意な仕事も受けざるを得なくなっていく。さらに不運は続く。
優しかった父が急死し、自身もコロンビアで高山病にかかり生死をさまよい、「破滅するのは自分の自由」と言い切り、コカインの使用・所持で有罪判決を受ける。

そしてペギーが不治の病に侵される。

もうペギーが助からないとわかった時、サガンはペギーのベッドの横で「今夜から誰に隣りに寝てもらえばいいの」と涙を流す。

孤独を愛するくせに、極度の寂しがりや。仲間思いだけど、排他的。徐々にサガンの心は壊れていってしまう。

ペギーが亡くなり、シャゾも亡くなったあと、サガンはアストリッドという女性と暮らし始める。
この女が最低なヤツで、自分自身は金持ちだから別にサガンの財産目当てで近づいたわけでもなく、とにかく自分のやりたいようにサガンを操っているような女。
サガンがベルナールに「一緒に住もう」と誘った時も、ベルナールは「あの女がいるからイヤだ」と断る始末。
最後にはボロボロになったサガンをポイッと捨ててどっかに行ってしまうような、ほんとにひどい女だった。
いったいなんのためにサガンに近づいたの?ナゾ。

酒もタバコもコカインも、やりたい放題やって69歳でその生涯を終えたサガン。
あんなにタバコ吸ってて、よく肺がんにならなかったもんだ。いや、なってたのか?

とにかくいろんな人から愛されたサガン。
だけど民衆は、彼女が書く小説よりも、彼女の生き方そのもののほうが興味深かったみたい。
私自身、この映画を観た後、かなりサガンに魅了されてしまった。

そして忘れてならないのが、サガンを演じたシルヴィー・テステューの演技力。
もう、ハンパないっす。
1人で18歳から69歳までを演じきっていて、さすがに18歳の頃は多少無理があるかな・・・って
感じなんだけど(実際のシルヴィーは38歳)、歳を重ね、シルヴィー自身の年齢を超えたと思われる頃からガラッと変わる。

てっきり演じてる人が変わったのかと思うくらい、すごみが増すっていうかなんていうか。
声も違うし歩き方も違うし、きっとサガン本人をものすごーーーーーく研究した結果なんだと思う。
サガン以外の登場人物も、最初から最後まで同じ人が演じているんだけど、みんなきちんと歳を取ってる。
特殊メイクのおかげもあるのはもちろんだけど、本当に老人に見えるんだよね。
「私の顔にシワは描かないで!」と言って老婆役をやった日本の女優とはエライ違いだよ。

実は私、「悲しみよ こんにちは」は読んだことがない。
だけどこれを機に絶対読みたいと思ったし、サガンの伝記も読みたいと思った。

ってことで、☆4.5。
どっぷりはまってしまいました。

にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


FXを学ぶ