天空の蜂

スポンサーリンク

天空の蜂
『天空の蜂』

あらすじ

1995年夏、愛知県の錦重工業小牧工場から防衛庁へ納品する最新の設備を搭載したヘリコプターが、正体不明の人物によって奪われてしまう。やがて遠隔操作されたヘリは稼働中の高速増殖炉の上空でホバリングを開始し、テロリストが日本全国の原発停止を求める犯行声明を出す。さらに、ヘリ内に子供がいることがわかり・・・。

天空の蜂

わたくしお恥ずかしながら松竹の映画ライターをやっておりまして、その一環で松竹試写室で行われた試写会に呼んでいただきました。

シネマズ by 松竹 ライター紹介まだ1本しか記事書いてないんだけど・・・)

1995年に発表された東野圭吾の小説が原作のこの映画。それから今日に至るまで、いろんなことがあったじゃないですか、日本。今まさに映画化するべき時が来た、っていう映画でした。

防衛庁に納入される最新鋭の超巨大ヘリ【ビッグB】のお披露目式当日、家族を伴って会場にやってきた設計者の湯原(江口洋介)。仕事一筋で家庭を顧みず、夫婦仲はあまりよろしくなさそうで息子の高彦とのコミュニケーションもあんまりうまく取れてない感じ。高彦は高彦なりに父親にSOSを発してるんだけど(←ここ重要)、湯原は全然気が付いてない。しかも父親はあまり自分に関心が無いと知ってしまった高彦は、ショックのあまり控室を抜け出し、同じく会場に見学に来ていた別の子供と一緒にお披露目前のビッグBに乗り込んでしまう。

そんな時、今と違ってまだ原発がバリバリと全国で稼働していた頃なので、そのすべての原発を停止するように求めるテロが発生。犯人はビッグBをジャックし、高速増殖炉「新陽」の上でホバリングさせ、燃料が切れて墜落するまでに要求を飲めと言ってくる。そうです、高彦たちが乗り込んだヘリです。

別の子供は間一髪でビッグBから降りるものの、高彦だけが取り残されて上空へ(ヘリは遠隔操作されている)。これは犯人も想定外の話。

この犯人が雑賀(綾野剛)っていう男なのは、割と序盤で明らかになります。

天空の蜂
映画は大きく分けて、高彦レスキュー作戦と新陽爆発回避作戦の2つの主軸で進んでいきます。わたしは前半の高彦パートでもうハラハラしっぱなしで、ものすごく力入りながら観てました。

天空の蜂
高彦は頭のいい子なので、地上と連絡を取り、自衛隊が自分を救出に向かっていることを知ります。この地上とのやりとりに使われたのが、先程重要だと言った「子供なりに発していたSOS」です。これはうまいなーと思った。それによって父親も息子の胸中を知るという、まさに一石二鳥なSOS。

そして後半、どうにかしてビッグBを新陽の上から動かさなければならない。まだお披露目もしてなかったし、開発にものすごくお金かかってるし、墜落なんてさせてほしくないなーっていうのが錦重工業の本心なんだけど、この際もう新陽の上に墜落しないんだったらどこに落ちてもいいわ、という、半ば捨て鉢な作戦が開始されます。

その作戦の指揮を執るのが、ビッグBの設計士の湯原と原発の設計士である三島(本木雅弘)。三島は足が悪いみたいでずっと引きずりながら歩いています(←ここも重要)

原発作業員たちは自ら犠牲になる覚悟の上で、最後まで新陽を守ろうとします。もし仮にビッグBが新陽に落ちた場合、彼らが逃げられる場所はあるのか。あるとすればそこまでどうやって移動するのか。三島は次々に案をだし、現場の関係者たちはそれに従って動き出します。

・・・三島。一筋縄ではいかない感じの三島。

天空の蜂
最後は湯原自らが自衛隊のヘリに乗り込んで、ビッグBの墜落地点をずらすことに挑戦します。

天空の蜂
邦画にはそもそもあまり期待していないわたしですが、この映画は面白かった!日本映画、やればできるじゃん、と心底思いました。自衛隊のヘリとかバンバン飛んでいる割に、確か自衛隊は撮影に協力していなかったような記憶が・・・。

残念だったのは、予告編でいろいろ見せすぎちゃってたこと。湯原が自衛隊のヘリに乗ってるシーンもそうだし、雑賀のアパートが爆発するシーンも予告で観ちゃってたので、「あー、これどうせ爆発するよね」って構えて観てたから全然びっくりできなかったし。最近の映画の予告編、それで客を引きたい気持ちは十分わかるんだけど、やっぱりちょっとやり過ぎかな。

あと、刑事役で出てた松島花っていう女優さんの演技があまりにもひど過ぎた。棒読みを超える棒読みっていうか、もうなんて表現していいのかわからないくらい下手。ほかに演じてくれる人いなかったの?

それと、最後の方にとある役者さんも出てくるんですが、そのシーンといい綾野剛が出ていることといい、その後に公開される別の映画の宣伝みたいになっててちょっと混乱してしまいました。「えっ、これってもしかしてあの映画に続く、なの!?」と(そんなやつはわたしだけかもしれませんが)。

そんなマイナス部分を大目に見ても、すごく楽しめる映画でした。DVDでもいいけど、やっぱりスクリーンで観る方が迫力あっていいと思います。まだギリやってる映画館あるから!

ということで、/5
こういう邦画をもっといっぱい作ってほしいんだよね。

にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


FXを学ぶ