『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』
あらすじ
アラジーン将軍(サシャ・バロン・コーエン)は、幼いころから北アフリカにあるワディヤ共和国の独裁者として君臨していた。彼は気に入らない相手を即刻処刑したり、核ミサイルの開発に手を出したりとやりたい放題だったが、ある日、核ミサイルの件で国連から釈明を求められてしまう。そこで将軍は意気揚々とニューヨークに旅立つが、陰謀により捕らえられ、立派な口ひげをそられてしまい・・・。
なんていうか、とんでもない映画を観てしまいました、「ディクテーター 身元不明でニューヨーク」。試写でよかったね、お金払ってこれ観に行ったって言ったら、ちょっと人格疑われちゃうかも?的な映画です。
相変わらずお騒がせなサシャ・バロン・コーエン。レッドカーペットでもやりたい放題だったね。最近の映画では、「ヒューゴの不思議な発明」で足引きずってた鉄道公安官役が記憶に新しいです。
架空の国ワディヤ共和国の超迷惑な独裁者であるアラジーン将軍。とにかく自分が一番じゃないと気がすまなくて、国内でオリンピックを開いて自分が選手として出場したり
自分でスタートのピストルを鳴らし、追い抜くものは容赦なく射殺
影武者を何人も用意して、その人たちが暗殺されても全然気にしなかったり。
きっとこういう独裁者って、実在するのかもしれない。面白おかしく描いてたけど。
そんな将軍が演説のために訪れたニューヨークで迷子になってしまう。これ、邦題が素晴らしいなと思って。「ニューヨークで身元不明」じゃなくて、「身元不明でニューヨーク」。すごい。路頭に迷った将軍は、ひょんなことからオーガニックスーパーでバイトすることに(笑)。
そこからちょっと真面目な展開になるかと思いきや、全然そうでもなかったり。確かに爆笑できるシーンもたくさんあるんだけど、まぁかなり下品だよね。となりの席で観てたおばさん、椅子からひっくり返りそうな勢いで手をたたいて笑ってたけど、そんな姿を見てわたしは
「あぁ、こういう人にはなりたくない・・・」
と思った。この映画を観ているからとかそういうんじゃなくて、あなた映画館でも本当にそういう感じで観てるわけ?って目を疑いたくなるような感じだったので。あれは迷惑極まりないわ。ひどすぎ。
単なるおバカ映画かと思いきや、実は冒頭で「某北の国の前将軍に捧ぐ」とかいうテロップが出てきちゃったりして、裏返せば思いっきり独裁政治を皮肉った内容の映画だったりもします。実名もバンバン出てくるし。これを配給した会社はすごいなぁ。そしてこれを上映する映画館もすごいなぁ。
口を酸っぱくして言いますが、デートムービーではありません。ナニがバッチリ写ってたりしますので(爆)。友達同士で観に行くのも、あんまりオススメできません(観終わった後、感想を言いづらいです)。どうしても観てみたい人、一人で行くのをオススメします。わたしは一人で観てよかったと心の底から思いました。
というわけで、☆3つ。
たまにはこういう映画があってもいいと思います。はい。R15+ですので、念のため。