飛べ!ダコタ

スポンサーリンク

 飛べ!ダコタ
『飛べ!ダコタ』

あらすじ

終戦から5か月後の昭和21年1月14日。上海から東京へイギリス総領事を送る途中だったイギリス空軍要人機「ダコタ」が悪天候に見舞われ、新潟県は佐渡島にある高千村の海岸に不時着する。ダコタは砂に埋もれ、滑走路もないことから乗組員は島にとどまることを強いられる。敵国であったイギリス軍人を前に、戦争で家族を失った者、いまだ戦地から戻らぬ息子を待つ者も少なくない住民たちは複雑な感情を抱く。だがダコタの第一発見者である千代子(比嘉愛未)の父で村長の新太郎(柄本明)は、率先して彼らを温かに迎え入れる。

飛べ!ダコタ

久々によい邦画を観たな、と思った作品です。67年前に実際に起こった実話がベースになっています。うちの母は佐渡出身なんですが、そんな母ですら知らなかったエピソードだそうです。終戦直後の話だからね。

つい5ヶ月前まで、「鬼畜米英」と呼んでいた敵であるイギリス人たちを受け入れられるかどうか。困っているんだから助けようという人、何をされるかわからないから放っておこうと言う人、様々です。でも一番心に葛藤を抱えているのは、家族がその鬼畜米英に殺された人たち。もしかしたら、自分の息子はこの人たちと戦って殺されたのかもしれない。そんな人間を受け入れられるわけがない。だけど、周囲の人たちは徐々にイギリス人たちを受け入れていく。だからって自分はそう簡単に変われない。

村人たちの心が動揺する中、村長さんはこう言います。

「佐渡にはいろんな人が流されてきた。天皇さんも、お公家さんも、世阿弥さんだって流されてきた。そういう人たちを受け入れてきたのがこの島だ。だからあのイギリス人たちも受け入れるのが当たり前だ。」

そうそう、佐渡って昔は、島流しの行きつくところだったんだよねぇ。京都の高貴な人もたくさん流されてきたので、佐渡の言葉はなんとなく京都っぽかったりもするのです。とにかくそうやっていろんな人を受け入れてきたんだから、今さらイギリス人くらいどうってことないさ、と。別に助けたからってなにかもらえるわけでもないけど、困ってるんだから助けてあげようじゃないの。

わたし、終始泣きっぱなしでした。周りの観客は年配の方ばかりで、わたしみたいな、しかも一人で観に来ている女子は皆無で、たぶん不思議に思われてたかも。声を大にして叫びたかった。「わたしには佐渡の血が流れてるんですようっ!」って(笑)。

特に村長さんを演じた柄本明さんのしゃべり方が3年前に亡くなった祖父そっくりで、それがまた泣けて泣けて。佐渡弁って、語尾が「~だっちゃ」とか言って、なんかラムちゃんみたいでかわいいんだよ。最後の方は顔までそっくりに見えてきたもん。

飛べ!ダコタ

この映画、公開劇場がとっても少ないんです。もしかしたらもう上映終わっちゃってるかも。こういう小粒だけど内容がしっかりしていて感動できる邦画、どうしてもっといっぱい上映してくれないのかなぁ。同じ列で観てた年配のご夫婦、終わった後に拍手しながら「いい映画だった」って言ってた。いろんな世代の人に観て欲しい映画です。邦画でこんな風に思うことは滅多にない。

飛べ!ダコタ
ということで、☆5つ。
久々満点。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

コメント

  1. ひかる より:

    1 ■飛べ!ダコタ
    私も観ました。
    佐渡に関係ある映画だから、という理由だけで出かけたのですが、とてもよい映画でした。
    たくさんの人に観てもらいたいです。

    私もブログに感想書いたので、よかったら読んでみてください。
    http://ameblo.jp/tanakahikaru77/

  2. はな より:

    2 ■◎ひかるさん
    コメントありがとうございます。

    いい映画でしたよね。
    もう公開は終わってしまいますが、名画座などで再上映して欲しいです。
    http://ameblo.jp/flower51/

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


FXを学ぶ