『はじめてのおもてなし』
あらすじ
ミュンヘンの住宅街に一軒家を構える、病院の医長のリヒャルト(ハイナー・ラウターバッハ)と元教師のアンゲリカ(センタ・バーガー)の夫婦。長男(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)は妻に逃げられその息子は勉強そっちのけでラップとゲームに夢中で、長女(パリーナ・ロジンスキ)は31歳になっても大学生という状態だった。ある日、アンゲリカが難民を受け入れると宣言して、ディアロ(エリック・カボンゴ)というナイジェリアから来た青年を連れてくる。天涯孤独の青年ディアロをもてなそうと張り切るアンゲリカだったが…。
ナイジェリアからの難民を家族として受け入れることにしたドイツ人一家の話。深刻な話かと思ったらドタバタコメディでした。
故郷の村をテロリストに焼かれ、ナイジェリアからドイツへとやって来たディアロ。難民申請中の彼を家に迎え入れた主婦のアンゲリカはチャリティにも熱心で、夫が大事にしていたジャケットも勝手に寄付してしまうような猪突猛進タイプの人。そんなアンジェラを若干冷ややかに見る家族、といった構図で展開していきます。
あまりにもつらい経験をしたディアロは、自分の家族のことは話そうとしない。でもアンゲリカはそんな彼を温かく見守ります。ドイツ語を教えたり、庭仕事を世話してあげたり。
そんなある日、ディアロの歓迎パーティーを家で開いたらアンゲリカの友達が大挙して押し寄せ、しまいにはキリンまで連れてくる始末。そして近所の人に通報されて警察沙汰(笑)。
たぶんディアロはとても家族を大切に思っていたんだと思います。それを無残な形で奪われ、もう自分には家族がいない。そんな中受け入れてくれたアンゲリカには感謝しているけど、彼女の家族がバラバラなのがどうしても理解できない。なぜ家族なのにもっと仲良くできないのかと。そしていい年して結婚もしない娘も理解できない(いやその辺は「ほっといてよ」とわたしは思ったけど笑)。でも純真無垢なディアロが巻き起こすてんやわんやが徐々にアンゲリカの家族を一つにまとめていくという、ハートウォーミングなお話でした。
日本ってイマイチ移民問題には無関心というかピンとこないところがあるけど、ヨーロッパではディアロみたいな人がたくさんいるんだろうな。国によってウェルカムだったり排除しろっていったり様々だし、たとえ受け入れてくれたとしてもその国の言葉を覚えて仕事だってしなくちゃ生きていけない。様々な問題提起をしている映画なんじゃないかなと思います。それもそのはず、この映画「国連UNHCR難民映画祭2017」で上映されたそうです。
ということで、
本国ドイツでは大ヒットしたそうですよ。