デトロイト

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デトロイト

あらすじ

1967年7月、デトロイト。黒人たちによる暴動が激化し、鎮圧に乗り出した軍や地元警察との衝突で街はまるで戦場と化していた。そんな中、運悪く暴動に巻き込まれ身動きできなくなった人気バンド“ザ・ドラマティックス”のメンバー、ラリーが宿泊していたアルジェ・モーテルで銃声が鳴り響く。それは黒人宿泊客の一人がレース用の空砲をふざけて鳴らしたものだった。しかし、それを狙撃手による発砲と思い込んだ大勢の警察官がモーテルになだれ込んでくる。やがて、偶然居合わせただけの若者たちが、白人警官のおぞましい尋問の餌食となっていくのだったが…。

デトロイト

1967年に起きたデトロイト暴動を題材にした話。信じられない実話です。

1967年7月、アメリカ史上最大級の人種暴動の最中に起きた実際の事件、「アルジェ・モーテル事件」を題材にしています。実際にこの事件に関わった人たちも映画作りに協力しているそう。監督は『ハート・ロッカー』でアカデミー賞作品賞を獲ったキャスリン・ビグロー。これ、あの『アバター』と競って作品賞獲ったんです。しかも史上初の女性によるアカデミー賞監督賞も受賞。ほかには『ゼロ・ダーク・サーティ』なんかも撮ってますね。どれも実話を描いていますが女性監督がこういう作品を撮るっていうのがすごいと思う。

とにかく見ていて胸糞悪くなるというか(笑)、ほんとにこんな事件が起きたの?って疑いたくなるような内容です。事件の舞台となったのは安宿のアルジェ・モーテル。

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事件が起きる前からすでに街ではアフリカ系住民による暴動が始まっていて、そんな中白人警官であるクラウスが丸腰の黒人を射殺。当然正当防衛は認められないので罪になるはず(?)だけど、クラウスはそのまま街中のパトロールを続けていた。このクラウスを演じているのがウィル・ポールター。

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この顔、見覚えありませんか。『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』でムカつく従兄弟役だったアイツです。こいつがとにかく今作でもムカつくんですよ。白人至上主義で黒人を人間とも思ってないような奴。鑑賞中は終始観客をイライラさせる存在。観終わった後「お前だけは絶対許さない」と思わせるヒールっぷり。ある意味圧巻。

話を戻します。

暴動のさなか、音楽堂ではパフォーマンスするために黒人バンド「ザ・ドラマティックス」が出番を待っていました。しかし暴動が激化したために出番直前でショーが終わってしまい、警察から退去命令が出されます。移動のために乗ったバスが暴徒たちに襲われたため、メンバーは2手に分かれて逃げることに。ボーカルのラリーとフレッドが逃げ込んだのが前述のアルジェ・モーテル。そこにいた2人の白人女性と話をしていると、クーパーという男が空砲を撃ってふざけ始め、その音を聞いた警察官が狙撃だと勘違いしモーテルに乗り込んできます。その中ににっくきクラウスもいた、という流れ。

警察はその場にいた全員に「誰が銃を撃ったのか」と問い詰めるけど、誰も銃なんて撃ってない。だってただのスターターピストルだし。でも黒人の言うことなんて毛頭信じてない白人警官だから、容赦なく拷問して吐かせようとする。それは黒人だけにとどまらず、売春婦だと決めつけた白人女性2人に対しても同じ。壮絶な40分の映像が始まります。

事件現場には近くの店の警備をしていた黒人のディスミュークスもやってきます。演じるのはジョン・ボイエガ。『スター・ウォーズ』シリーズのフィンですね。

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この人は白人に対してへつらいつつ、黒人として上手く立ち回ろうとしているタイプの人間。警備員の格好してるから難を逃れているようなものの、一歩間違えば自分だって拷問されている側にいたかもしれないのに。

観終わった後に決していい気分になる内容ではなく、観ていて辛く怒りがこみ上げてきます。でもこういう事件って今もアメリカで起きてるじゃないですか。黒人の住民がただ庭の芝刈りをしてただけなのに警官に取り囲まれたりとか(芝刈り機を銃かなんかと間違えられたらしい)。本当に意味が分からないです。

一番かわいそうなのはボーカルのラリー。プロにスカウトされるかもしれなかった音楽祭が中止になり、暴動後にバンドで再活動を始めるも事件のトラウマで脱退。その後ザ・ドラマティックスは一躍大人気になってしまうという…。事件後の彼のたどった人生もとても悲しいです。

ということで、
あんまり人にオススメする映画ではないですが、興味のある人は事件とか登場人物をググってみると大体の内容はわかります。

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