『フェア・ゲーム』
あらすじ
CIAのヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)と元ニジェール大使で夫のジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)は、イラクに核開発計画がないことを政府に報告する。しかし2003年、ブッシュ政権がイラクに宣戦布告。ジョーがニューヨークタイムズ紙にイラクにおける調査報告を寄稿したことから、報復としてヴァレリーが諜報員であることがアメリカ中に公表されてしまい・・・。
「フェア・ゲーム」の試写に行ってきました。主演はナオミ・ワッツ。スクリーンで観るのは今年初めの『愛する人』以来です。
以下、ネタバレあり。
イラクに大量破壊兵器が存在しないことを公表したために、アメリカ政府の厳しい報復に遭った元CIAの女性エージェントの実話「プレイム事件」を映画化したものです。実在の人がいっぱい出てくる。
一人の人間 vs アメリカ政府。敵が大きすぎるって。
夫は妻の仕事に協力して、ニジェールまで行って核計画が存在するかどうか確かめた。答えはNo.そう報告したはずなのに、政府は「イラクは大量破壊兵器を製造している」として、イラク戦争を始めてしまう。結局戦争したかっただけなんだ。きっと。戦争を始めてしまってから、戦争に対する「大義」を後付けしようとする、なんとも恐ろしい話。
そんなことをされてプライドが許さない夫は、告発文を新聞に掲載する。そしたら妻への報復。こわっ。周りの友達も離れていくし、家はネットに公開されてひどい嫌がらせもいっぱい受ける。だけどこの妻、へこたれない。CIAの訓練の中で、拷問に近いことまでやらされていたのでものすごく強いのだ。
エンドロールでは、裁判所で宣誓をするヴァレリー・プレイムご本人が登場します。確かに賢くて聡明で、強そうな女性。後にアメリカ政府はチェイニー副大統領の事件への関与を認めたそうです。すごいね。