白鯨との闘い

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白鯨との闘い
白鯨との闘い

あらすじ

1850年、次回作の構想を練る新進作家ハーマン・メルヴィル(ベン・ウィショー)は、30年前にある捕鯨船を襲った悲劇を取材すべく、その最後の生き残りであるニカーソンを訪ねる。最初は渋っていたニカーソンだったが、やがてその重い口を開き始める――。1819年、新米船員ニカーソンを乗せた捕鯨船エセックス号は、アメリカのナンタケット島を出港する。船長になれると思っていた一等航海士のオーウェン(クリス・ヘムズワース)は、経験の浅い名家の息子ジョージ(ベンジャミン・ウォーカー)にその座を奪われ苛立ちを隠せずにいた。そんな彼らの航海はトラブル続きで、肝心の鯨は一向に捕らえることができず、焦りばかりが募っていく。そんな中、寄港地で有力な情報を聞きつけた一行は、鯨の群れを追って太平洋へと向かう。そして太平洋沖4,800キロメートルの海域で白い化け物のようなマッコウ鯨と遭遇。彼らは強大な敵を相手に必死で抵抗するものの船を沈没させられ……。

白鯨との戦い

ハーマン・メルヴィルが書いた小説「白鯨」を元にした映画はいくつかありますが、この映画は違います。メルヴィルが「白鯨」を書くに当たって取材した、実在の捕鯨船エセックス号の沈没事件を描いています。小説はフィクション、この映画はノンフィクション。ちょっとややこしいんだけど。

わたしがこの映画の予告編を観たのは、確か2014年だったと思う。クリス・ヘムズワース、ベン・ウィショー、さらにはキリアン・マーフィとわたしの大好きな俳優ばっかり出るので、公開がすごく楽しみだった。当時はまだ邦題が決まってなくて、原題の”In the Heart of the Sea”として紹介されていた。これ、このまま訳しておけばよかったのに『白鯨との戦い』なんて邦題つけちゃったから、どうしたって「人間VS巨大鯨の話」だと思わされてしまう。実際は鯨が出てくるシーンなんてほんのちょっとで、鯨に襲われた後の地獄のような漂流生活が話のメインです。

映画はメルヴィルがエセックス号の生き残りであるニカーソンにインタビューしていく形で進んでいきます。事件からかなりの年月が経っていて、当時のことを語れるのはニカーソンしか残ってないんだけど、彼はなかなか真相を語ろうとしない。

白鯨との戦い
そこでメルヴィルが持っていた全財産を彼に差し出すと、生活に困っているニカーソンは渋々承諾し、ポツポツと語り始めるのです。

19世紀当時、鯨から取れる油はヨーロッパのエネルギー源としてとても重要だった。だから大きな鯨を仕留めれば一攫千金、肉から油からなにからなにまで活用できた。そのお宝を捕獲すべく出航した捕鯨船エセックス号の乗組員は、腕は確かなのに家柄のせいで船長になれなかった一等航海士のオーウェン、経験はないのに名家の出だからと船長になったポラード、オーウェンの幼なじみのマシュー(キリアン・マーフィ)たち。そして若き日のニカーソンも一番の下っ端として乗船していた。

白鯨との戦い
無鉄砲で自信家の一等航海士オーウェンと、たいした技量のない名ばかりの船長ポラード。しかも何か月も捕鯨船という狭い空間の中にいて、全然鯨も獲れてない。2人が衝突しないわけがない。船内は険悪です。

白鯨との戦い
意地の張り合いみたいになって、ポラードは嵐の中に突っ込んで行って船を壊すし、オーウェンは巨大な白鯨に戦いを挑んで船を沈没させてしまう。

さて、話は船が沈没してからです。いくつかの小舟に分乗した乗組員たちは、ただただ広い海を当てもなく漂流するばかり。陸地は見えず、自分たちがどこにいるのかもわからない。ジリジリ照りつける日差し。乏しい食料。激しい脱水症状。これから彼らの身に起きることは目に見えています。

ニカーソンがエセックス号のことを語りたくないのは、その壮絶なサバイバルを思い出したくないこともあるけど、それとは逆に忘れたくても忘れられない出来事に触れたくなかったから。それはあまりにも非人道的で、でも彼らが生き延びていくためにはどうしても避けて通れないことだった。それを話せばきっとメルヴィルだってニカーソンを軽蔑する。メルヴィルだけじゃなく、本が出版されたら世界中の人から非難を浴びるだろう。でも、そのことを語れるのはもうニカーソンただ1人で、今話しておかなければ真相は永遠に闇に葬り去られてしまう。心の葛藤はかなりあったと思う。

わたしが一番気になったのはマシューのこと。

白鯨との戦い
彼は白鯨との戦いで頭に傷を負い、とある場所に何人かの仲間と共に置き去りにされるのですが、もしかして彼も・・・。

ニカーソンが語っているということは、彼はこの極限状態を生き延びたということで、そのほかにも何人か救助された人がいます。その中にはオーウェンもポラードもいました。彼らが真実を語れば、この後の捕鯨に多大な影響を及ぼすことは確か。立場上それを隠したいポラードと、全てを話すべきだというオーウェン。どちらが正しいのでしょうか。

昔は木の帆船だからあっという間に鯨に壊されちゃうけど、今ならむしろ「鯨ゴメン・・・」ってなるよね。最近高速船と鯨がぶつかったなんてニュースもあったし。

ということで、/5
どうやら激しい誤訳があるらしいのですが、全然気が付かなかった。わかった人いるかな。

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