『鍵泥棒のメソッド』

あらすじ

35歳にして定職もなく、売れない役者稼業にもほとほと嫌気がさした桜井（堺雅人）は自殺にまで失敗してしまう。その後、出掛けた銭湯で見るからに勝ち組男のコンドウ（香川照之）が彼の目の前でひっくり返り、頭を強打したせいで記憶を失ってしまった。桜井は衝動的に彼の荷物をくすねてコンドウに成り済ましたのだが、実はコンドウの職業は殺し屋で・・・。

すごく面白かった記憶のある「アフタースクール」の内田けんじ監督作品「鍵泥棒のメソッド」。前作の教訓から伏線の回収頑張ろうと思ってたけど、そんなに頑張る必要もなく（笑）。

 

以下、ネタバレなし。

 

ちょっと期待し過ぎちゃったかな、っていうのはありました。実は「アフタースクール」が面白かったってことは覚えてるんだけど、内容をほとんど覚えていないのです・・・。あれは大泉洋が出ていたから面白かったのかもしれない。わたし的に。

よくありがちな記憶が入れ替わっちゃって巻き起こる大騒動、ではなく、勝手に他人になりすましている売れない役者と、その役者に勝手に人生乗っ取られちゃった殺し屋のお話です。殺し屋は頭打って記憶喪失になっちゃったから、言われるがままに自分は売れない役者だと思い込んじゃってるの。

そこに広末涼子演じる水嶋香苗（この名前って、あの結婚詐欺女に似てるんですけど・・・）が絡んできて、てんやわんや。

コンドウになりすました桜井に殺しの依頼が来ちゃって、ちょっと役者魂に火がついて演技しちゃったりとか、役者だと思い込んでいるコンドウがエキストラに参加して、ちょっと役者の才能を見出しちゃったりとか（笑）、本業じゃないのにお互いがなんとなくそれっぽくなっていくのが面白いです。

コンドウは記憶の手がかりになればと、自分の趣味嗜好や起きた出来事なんかをノートに綴っていくんだけど、その字がすごく上手で。あれは本当に香川さんが書いてたのかなー。なんとなくそんなような気もするけどどうなんだろ。

わたしが勝手に大どんでん返しを期待してしまっていたために、終わりはなんかちょっと拍子抜けでした。

 

ということで、☆3.5。
もう一度「アフタースクール」が観たくなった。