『世界一キライなあなたに』

あらすじ

イギリスの田舎町に暮らす天真爛漫でおしゃれが大好きな26歳の女性、ルー（エミリア・クラーク）。ある日、働いていたカフェの閉店で失業してしまう。ようやく見つけた仕事は、交通事故で車椅子生活を余儀なくされたイケメン大富豪ウィル・トレイナー（サム・クラフリン）のお世話係というもの。それは6ヵ月の期間限定という条件付きだった。生きる意欲を失い、すっかり心を閉ざしていたウィルだったが、ルーは持ち前の明るさで少しずつ彼との距離を縮めていく。そしていつしか恋に落ちるルーとウィルだったが…。

泣けました。さめざめと泣けました。

イギリスの田舎町のカフェで働いていたルーは、ある日突然解雇されてしまいます。父親が失職中で自分が稼ぎ頭だったため、職業センターに行ってどんな仕事でも構わないから紹介してくれと頼むルー。そして見つけたのが、交通事故で車いすの状態になってしまった青年実業家ウィルの介護と話し相手をする仕事。

身体的な介助はしなくていいと言われ楽な仕事かと思いきや、自暴自棄になってしまっているウィルの相手をするのは一筋縄ではいかない。ルーがウィルの介護をするのは6か月間限定。なぜならウィルは自分がこうなってしまったという現実を受け止めきれず、半年後に安楽死させてもらうつもりでいたから。そのことを知ったルーは、なんとかウィルの考えを変えさせようと、ウィルの両親（超金持ち）も巻き込んでお金に糸目をつけず様々な体験をさせて生きる喜びを見出してもらおうとする。

全世界で850万部を売り上げた大ベストセラーの映画化だそうです。最近だと介助する人とされる人を描いた映画は『最強のふたり』や『サヨナラの代わりに』などがありました。これらと本作との違いは、彼らが異性同士であるということ。最初は憎まれ口を叩きあっていても、だんだんロマンスが芽生えてくるのは目に見えてるんだよね。

しかしどんなに「今」が楽しくても、ウィルには「未来」が見えてこない。もともとエリートとしてバリバリ働いていたから、こんな体になっちゃったらなおさら。安楽死という選択は、ウィルの家がお金持ちだったからこそ選べたものでしょう。きっとそれなりにお金もかかるはず（スイスの病院だし）。彼氏がいながらもどんどんウィルに惹かれてしまうルーは、なんとしてでもそれを食い止めたくて、必死に頑張る姿がまたいじらしくて。

ちなみにルーを演じてるエミリア・クラーク、『ターミネーター：新起動／ジェニシス」でサラ・コナーを演じてた人です。180度違う役柄。

そしてさらにびっくりなのがルーの彼氏パトリックを演じたマシュー・ルイス。

『ハリー・ポッター』シリーズのネビル・ロングボトムだからね！！！！

ルーのファッションはしいて言えば「ダサかわ」なのですが、「世界で最も美しい顔」に選ばれたこともあるエミリア・クラークが着るととてもかわいらしく見える。1人二十面相みたいにコロコロと表情が変わり、屈託のない笑顔で常に前向きにウィルに接するルーの姿が、私には切なすぎて涙をこらえることができませんでした。

でもこういう小粒だけどいい映画って、上映館がほんと少ないんだよねー。残念。まあDVDで観ても全然問題はないけれども。

ということで、/5
ほっこりしたい、ウルッとしたいっていう時にオススメの映画です。