インポッシブル(2回目)

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2回目を観るべきかどうか迷ったけど、結局行ってしまった「インポッシブル」の試写会。同じ映画を試写で2回観たのって、初めてかも。いよいよ明日6月14日公開です。

詳しいことは前回のレビューにて。

今回はネタバレありの追記で。

以前も書きましたが、わたしはこの映画を万人にお勧めするつもりはありません。絶対に観たくない人もいるだろうし、観たくても観られない人もいると思う。ただ、「津波っていってもたいしたことないんでしょ」っていう気持ちで観に行くと、だいぶ後悔します。本当にリアルで苦しい映像が映し出されます。どうやって撮影したのか不思議なくらいのリアルさです。

それよりなによりも、主人公のマリアがその津波に流される途中でケガをするのですが、その描写がもう。今も脳裏に焼きついて離れません。右足の裏、ばっくりと肉が裂けています。それも映ります。後ろをついて歩いていた息子でさえ、「ママ、ごめん。だけど(見るのが)耐えられない」というほどの大怪我です。

マリアは地元の人に助けられますが、その助け方がひどい。水浸しで流木だらけになった道を、ズルズルと引きずられていくのです。せめておんぶしてあげてよ。マリアは激痛のあまり叫びます。

「もうやめて!」

しかしやめてしまったら助からない。マリアの傷は絶対引きずられたせいで悪化してます。それでもマリアは、彼らに向かって「ありがとう。助けてくれて本当にありがとう」と言う。

病院でマリアの口から、まるで手品で国旗を次々と吐き出すようにして出てきたものはなに?内臓?違うよな(苦)。あぁもう、この先は書けない。正直、気分が悪くなる。

マリアの家族は、とても運がよかったとしか言えません。5人が2人と3人にバラバラになって、でも結局全員再会する。しかも専用ジェットで一家はシンガポールへと輸送され、マリアはそこで治療を受けることになります。「なんて恵まれた家族なんだろう。何十万人という人がいろんなものを失ったのに」飛行機でシンガポールへ向かうラストシーンを観て、わたしは少なからずそう思いました。しかし、その機内の窓から外を見下ろせば、真っ青だったビーチは真っ黒に変わり、そこにあるのは死体の山。奇跡を起こした家族と、運命に飲み込まれた人たち。究極の対比が映し出されて、幕が下ります。

これほど大規模に何回も試写会が行われた映画って、わたしの記憶の中にはありません。それだけ口コミで広めてほしいってことなのかもしれない。テレビで予告編とか流せないだろうから。宣伝するにはどうしても津波のシーンが必要だし、今それを垂れ流しにしたらあらゆるところから批判が来るだろう。

だからって、試写会に来た人全員が絶賛するかと言ったら、決してそういうわけじゃない。「この映画を観て、東日本大震災を思い出せなんて傲慢すぎる」とか、「震災を忘れるな、とか言うな。」みたいな批判的な意見もレビューサイトでいっぱい見ました。

わたしが言いたいのは、そうじゃなくて、震災に、特に津波に遭われた方たちが観る映画なのではなくて、同じ日本にいたけれども直接被害を受けたわけではなく、テレビや新聞でしか津波の姿を見ていない人たちこそが観るべき映画なのだと思うのね(言っておきますが、この映画に地震の揺れは一切出てきません)。映画では疑似体験ができる。津波に流されるということがどういう状況だったのか、ニュースよりリアルに見られるのです。あの時、流されている人の目線で放送された津波のニュース映像はありましたか?つまりそういうことなのです。

人には決して手放しでは薦めないけれど、わたしは観てよかったと思いました。何十年も経ってから見るのではなく、今このタイミング、震災から2年後という時期も合っていたんじゃないかと思います。早すぎるっていう意見もあるけど、じゃあいつだったらいいの?いつだったらベストタイミングなの?

上映館はそれほど多くありません(こちらご参照→上映館一覧)。北海道なんて1ヶ所しかないよ。あんなに広いのに。こういう映画を上映する場所を決めるのって、どうやってるんだろう。映画館が名乗りをあげるのかな。

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