終の信託

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終の信託
『終の信託』

あらすじ

同じ職場の医師・高井(浅野忠信)との不倫に傷つき、自殺未遂を図った呼吸器内科医の折井綾乃(草刈民代)。沈んだ日々を送っていた彼女は、重度のぜんそくで入退院を繰り返す江木秦三(役所広司)の優しさに触れて癒やされる。だんだんと距離が近づき、お互いに思いを寄せるようになる二人だったが、江木の症状は悪くなる一方。死期を悟った彼は、もしもの時は延命治療をせずに楽に死なせてほしいと綾乃に強く訴える。それから2か月後、心肺停止状態に陥った江木を前にして、綾乃は彼との約束か、医師としての努めを果たすか、激しく葛藤する。

終の信託

なんとなく観に行ってしまった「終の信託」。これといって観たい理由もなかった、と思うのですが。

以下、ネタバレあり。
手短に要約しますと、自分が担当する患者が「その時が来たら楽に死にたい」と言っていたのでその通りにしたら、後から家族に訴えられちゃって殺人罪で起訴された、というお話です。なんか現実にもこんなことがあったようななかったような。

わたしの周りにはぜんそくの人がいないので、それがどれだけつらい病気なのかは正直よくわかりません。主に子供がかかる病気かと思ってたし(それは小児ぜんそく?)。江木は「20年前に発症」と言っていたので、大人になってからぜんそくになったんですね、きっと。

一度発作が起こると、それはそれはもう苦しそうで、演技にしたってすごいなと思ってしまった。息ができないんだもんね、そりゃ苦しいよ。

江木はいい夫、父親なんだろうけど、その家族っていうのがどうも江木の辛さを深刻に受け止めていない。もっと空気のいい場所に引っ越すよう医者から薦められても、工場から煙がモクモク出ているような工業地帯に住み続けることを主張する長男とか、キミねぇ、もっと父親のこと考えてあげなよ、と心の中で突っ込み。

でも、別に江木はそれに対して不満じゃないんだよね。むしろ迷惑かけてゴメンって思ってる。だから、治療を長引かせてお金がかかるよりも、潔く死んでしまいたいと願う。

終の信託

しかも主治医である綾乃にそれを頼む時、「耳元で子守唄を歌ってほしい」とか意味わからないことを言い出す。かつて満州に住んでいた頃、目の前で妹が亡くなり、母親がずっと子守唄を歌っていたから、自分にも同じことをしてほしいとかなんとか。

で、いざその時が来て、綾乃が江木の延命治療を止めた時、ものすごい壮絶なんだけど(すっごい苦しんでた)、そんな修羅場みたいな状況で、ほんとに子守唄歌いだすんだよね・・・・。家族の顔は映ってなかったけど、絶対「は?」って顔してたと思う。医者がいきなり歌いだすんだもん。

綾乃は延命治療を止めることを詳しく家族に説明していなかった。だから後で問題になるんだけど。ただ、これ以上改善の見込みがないこと、苦しめるよりは楽にしてあげた方がいいんじゃないか、ってことだけ伝える。江木がそう望んでたってことを、もっと強く主張しておけばよかったんじゃないかなぁと思うのです。

後半30分は、江木が死んでから3年後(たぶん)に突然医療過誤で訴えられた綾乃と検事のやりとりが続きます。こっからもう、眠くて眠くて。肝心なこと聞いてない(笑)。検事の「殺人と認めるんだな!?」の声で起きました。どうやら認めちゃったみたいです。

結局、江木がずっとつけていたノートの最後に書かれていた「延命治療は望まない」という文章が「終の信託」と認められたものの、家族への説明が不十分だったってことで、執行猶予付きの有罪。

うーん、どうなんだろうねぇこういうのって。ほんと難しいと思う。確かに延命処置を続けていれば、江木は生き長らえられたと思う。だけどそういうことを本人が望んでいなかったわけで。口のチューブを外した時はものすごい形相で苦しんでたし(ホラー映画かと思うほど戦慄)。苦しみを和らげるためか早く息を止めるためかわかんないけど、薬をガンガン打ってたし。

だからさ、江木がもっと家族と話し合っておけばよかったんだよね。自分はこうしてほしいんだって。そこをすっ飛ばして主治医に言っちゃうから、ややこしいことになるんだよ。

それにしても、草刈民代が棒読み過ぎて全然感情移入できなかった。この人の演技を観るのって「Shall We Dance?」以来じゃないかと思うけど、女優、なのですかね?ノーメイクかわかんないけど、ものすごく老けたなぁっていう印象。元バレリーナの体系ではあんまりふさわしくないっていうので、3ヶ月間一切運動しない体作りをしたそうだ。普通逆なのに(笑)。それでもスタイルはよかったです。ヌードもあるしね。

終の信託

ということで、☆3つ。
実際自分の身の回りでこういうことになったら、たぶん何がベストなのかわからないと思うな・・・。

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