『マリリン 7日間の恋』
あらすじ
名優ローレンス・オリヴィエ(ケネス・ブラナー)が監督と主演を務める『王子と踊子』の撮影で、ハリウッドからロンドンへと渡ったマリリン・モンロー(ミシェル・ウィリアムズ)。スタッフから大歓迎を受ける彼女だったが、初の海外撮影に対する重圧などから現場に遅刻するように。ローレンスたちに冷たくされて困惑するマリリンに、第3助監督のコリン・クラーク(エディ・レッドメイン)は第三者からの視点でアドバイスを送る。それを機に、二人は心を許し合う仲になるが・・・。
「マリリン 7日間の恋」の試写に行ってきました。去年来、すっかりマリリンの魅力にとりこになっているわたし。
恋多き女優として知られたマリリンの恋愛の中でも、50年間一切語られることのなかった助監督との恋。コリン・クラーク本人が暴露(っていうと言い方悪いけど)して、初めて公になった禁断のお話です。
「お熱いのがお好き」を撮ったビリー・ワイルダー監督に「マリリンとはもう2度と仕事をしたくない」と言わせるほどのワガママっぷり。でもそれは大女優だからふんぞり返ってるわけではなくて、ほんとにほんとに自分に自信がなくて、演技できるか不安で、気持ちをその役まで持っていくのにすごく時間がかかって、結局大遅刻しちゃうっていう(ま、ワガママですわな)。もちろん撮影はどんどん遅れていくし、監督であるローレンス・オリヴィエもイライラは頂点に達する。
そんな中、マリリンのいわば「なだめ役」として抜擢されたのが、第3助監督のコリンだった。
コリンはいいとこの坊ちゃんなんだけど、兄弟の中で自分だけ成績悪くて、唯一居場所を見つけたのが映画館だった。映画制作に関わりたいと思うようになり、半ば強引にオリヴィエ監督の元に転がり込んだ感じ。
この二人の恋を中心にストーリーは進んでいくんだけど、わたしはそれよりもマリリン本人のもろさとかはかなさとか、そういう部分がよくわかる映画だったんじゃないかと思う。
マリリンはそこにいるだけで強烈に輝く太陽で、どんな大女優でもかすんでしまうほど。ジュディ・デンチがまたいい味出してるんだけど、そんな大女優に気を遣わせてもおかまいなし。スタッフは気が気じゃないんだけど、それでもマリリンが撮影所にやってくると、空気が一変しちゃうんだよね。
セックス・シンボルといわれたマリリン。でも決してスタイル抜群だったわけじゃない。お腹ぽっこりしてるし。ミシェル・ウィリアムズも若干お腹出てたんだよね。きっと役作りだろう。そういえばヒース・レジャーとの間に生まれた女の子は元気でしょうか・・・。
びっくりしたのが、ヴィヴィアン・リーが出てきたこと。しかも40過ぎくらいですでに「おばあさん」扱い。そんなバカな。「風と共に去りぬ」を撮ったのが25歳頃。その頃に比べれば確かに歳は取ってるけど、まだまだいけるでしょ。
右端。オリヴィエ監督の奥さんだった。知らなかった。
「7日間の恋」って言われると、ちょっと疑問。もっと長かったような、短かったような。純愛物語、ではないです。やっぱりマリリンは男を振り回す小悪魔的女性です。だけど、短い間だったけど、その想いは本物だったって、わたしは信じたいな。
ということで、☆4つ。
始まってから終わるまで、ずーっと高いびきで寝てるおじさんがいた。たぶん、興味のない人にはそんな映画。