『博士と彼女のセオリー』
あらすじ
天才物理学者として将来を期待されるスティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)はケンブリッジ大学大学院に在籍中、詩について勉強していたジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い恋に落ちる。その直後、彼はALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し余命は2年だと言われてしまう。それでもスティーヴンと共に困難を乗り越え、彼を支えることを選んだジェーンは、二人で力を合わせて難病に立ち向かっていく。
ご存知スティーヴン・ホーキング博士のお話。まだご存命の方の話なので、なかなか映画にするのは難しかったんじゃないでしょうか。
わたしが子供のころから博士は車イスに乗っていたので、この病気にしては長生きなんだなと失礼ながら思いましたが御年73歳だそうです。通常ALSは発症したら5年程度で死に至るところ、博士の場合は進行が急に弱まって発症から50年間、言ってみれば小康状態を保っているらしい。たとえ体は動かなくても頭脳は天才なんだもの、もっともっと長生きしていろんな発見をしてほしいよね。
映画の中ではまだ発症前の状態から、だんだん体が思うように動かなくなり、余命宣告を経て家族を持ち、物理学者として成功を収めていく過程が描かれています。
結婚して、3人の子供をもうけた博士。
1人目、2人目はまだしも、3人目となると世間の邪推が始まります。
「その子供は本当にスティーヴンの子供なのか」
と。
確かにね、みんなそう思っちゃうよね。自分の意志では体を動かせないのに、子供を作れるのかな、って。そこから奥さんとの仲もギクシャクしちゃう(本当はその前からいろいろあったんだけどね)。
でもこの奥さんもエライ。もちろん病気は承知の上で結婚してるわけだけど、徐々に介護レベルも上がっていってそれを何もかも一人で面倒見て、自分の時間なんて全然ない。途中で投げ出したくなる気持ちもわかる。でもほんとに投げ出したとは知らなかった(笑)。
ホーキング博士を演じたエディくんは、アカデミー賞主演男優賞を獲得しました。わたし、彼が出てる映画なんて『マリリン 7日間の恋』と『レ・ミゼラブル』しか観たことない。こんなに早く受賞するとは思ってもみなかった。
ただ、前回のレビューでも書いたように、今年はカンバーバッチにあげたかったよね、って話。
カンバーバッチが演じたアラン・チューリングも、このホーキング博士も、頭が良すぎるとどうも一筋縄ではいきません。凡人にはわからないこだわりとかがいろいろあって、それに付き合わされる周りの人はほんと大変。でもね、それに付き合えるってことは、その人も変わってると思うんだ、たぶん。世の中うまく回ってる。
ということで、/5
エディくんと博士、なんとなく似てるよね。